【第二種衛生管理者過去問】2024年10月公表問題|問14|快適職場指針と職場環境改善の基本事項|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2024年(令和6年度)10月公表問題|労働衛生第14問

問題

厚生労働省の「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」において、快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し、考慮すべき事項とされていないものは次のうちどれか。

(1) 潤いへの配慮

(2) 個人差への配慮

(3) 労働者の意見の反映

(4) 継続的かつ計画的な取組

(5) 快適な職場環境の基準値の達成

第二種衛生管理者|快適職場指針と職場環境改善の基本事項を解説

快適職場指針では、作業環境や作業方法などを改善し、労働者が心身の負担を少なく働ける職場を形成することが重視されています。考慮すべき事項としては、継続的かつ計画的な取組、労働者の意見の反映、個人差への配慮、潤いへの配慮が挙げられます。答えは(5)です。快適職場指針は、一定の「基準値」を達成することを目的とするものではなく、職場の実情に応じて快適性を高める取組を進めるための指針だからです。

下に移動する

【第二種衛生管理者過去問】2024年10月公表問題|問14|快適職場指針と職場環境改善の基本事項|労働衛生を解説する画像__2syu-2024-10-eisei-q14

下に移動する

(1) 潤いへの配慮

適切です。その理由は、快適な職場環境を形成するうえでは、単に危険や有害要因を取り除くだけでなく、労働者が働きやすさや心理的なゆとりを感じられる環境づくりも重要だからです。たとえば、休憩場所の整備、緑化、照明や色彩への配慮、清潔感のある空間づくりなどは、職場に潤いを与える取組に含まれます。快適職場指針では、このような人間らしく働ける環境への配慮が重要視されています。

(2) 個人差への配慮

適切です。その理由は、快適と感じる条件は労働者によって異なるためです。暑さや寒さの感じ方、照明のまぶしさ、騒音への感じ方、作業姿勢による負担などには個人差があります。年齢、性別、体格、健康状態、経験年数などによっても感じ方は変わります。快適な職場環境をつくるには、全員を一律に扱うのではなく、できる限り個人差を踏まえて改善する姿勢が求められます。

(3) 労働者の意見の反映

適切です。その理由は、実際にその職場で働いている労働者こそ、作業環境や作業方法の不便さ、負担感、改善してほしい点を具体的に把握しているからです。事業者側だけで判断すると、現場の実感とずれた改善になることがあります。快適職場づくりでは、労働者の意見を聴き、それを反映しながら改善を進めることが大切です。衛生委員会などを活用して意見を集めることも有効です。

(4) 継続的かつ計画的な取組

適切です。その理由は、快適な職場環境の形成は一度だけの改善で完了するものではないからです。職場の設備、作業内容、労働者の構成、季節、業務量などは変化します。そのため、問題点を把握し、改善計画を立て、実施し、効果を確認し、さらに見直すという継続的な取組が必要です。場当たり的な対応ではなく、計画的に進めることが快適職場指針の考え方に合っています。

(5) 快適な職場環境の基準値の達成

不適切です。その理由は、快適職場指針における快適な職場環境の形成は、特定の数値基準を達成すればよいという性格のものではないからです。労働衛生には、照度、気積、二酸化炭素濃度、温度、湿度などのように法令上の基準値が定められている分野もあります。しかし、快適職場指針で問われるのは、基準値の達成そのものではなく、労働者が働きやすい職場を形成するための考え方や進め方です。ここを混同すると誤答しやすいです。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

快適職場指針で考慮すべき事項は、継続的かつ計画的な取組、労働者の意見の反映、個人差への配慮、潤いへの配慮です。快適職場づくりは、単に最低限の衛生基準を守ることではなく、作業環境、作業方法、疲労回復支援施設、職場生活支援施設などを改善し、労働者が心身ともに働きやすい状態を目指す取組です。法令上の基準値を問う問題では、二酸化炭素濃度、照度、気積、温湿度などの具体的な数値が重要になりますが、快適職場指針では「数値の達成」よりも「改善の進め方」と「労働者への配慮」が中心になります。試験では、快適職場指針の選択肢に「基準値」「義務」「罰則」などの強い表現が出た場合、指針の趣旨と合っているかを慎重に判断することが大切です。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「快適な職場環境」という言葉から、温度、湿度、照度、二酸化炭素濃度などのような具体的な基準値を連想させる点にあります。労働衛生の学習では数値基準を覚える場面が多いため、「快適な職場環境の基準値の達成」も正しそうに見えます。しかし、快適職場指針は、最低基準を数値で満たすことよりも、職場の実情に合わせて継続的に改善し、労働者の意見や個人差を踏まえ、働きやすさや潤いを高めることを重視しています。「基準値の達成」という表現に引っ張られず、指針が求めているのは数値管理ではなく職場環境改善の考え方だと整理すると、同じテーマの問題にも対応しやすくなります。

現在売れている衛生管理者テキストはこちら

人気の教材ランキングを確認できます。

次の問題へ