出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの)第19問
問題
特殊健康診断に関する次の文中の( )内に入れるAからCの語句の組合せとして、正しいものはどれか。
「特殊健康診断において有害物の体内摂取量を把握する検査として、生物学的モニタリングがあり、スチレンについては、尿中の( A )及びフェニルグリオキシル酸の総量を測定し、( B )については、( C )中のデルタアミノレブリン酸の量を測定する」。
(1) A:馬尿酸 B:鉛 C:尿
(2) A:馬尿酸 B:水銀 C:血液
(3) A:メチル馬尿酸 B:鉛 C:血液
(4) A:マンデル酸 B:水銀 C:血液
(5) A:マンデル酸 B:鉛 C:尿
第1種衛生管理者|特殊健康診断と生物学的モニタリング・尿中代謝物を解説
特殊健康診断では、有害物質を体内にどの程度取り込んだかを確認するために、生物学的モニタリングが行われることがあります。答えは(5)です。スチレンでは尿中のマンデル酸及びフェニルグリオキシル酸の総量を測定し、鉛では尿中のデルタアミノレブリン酸の量を測定します。有機溶剤ごとに測定する尿中代謝物が異なるため、物質名と代謝物名を組み合わせて覚えることが重要です。
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(1) A:馬尿酸 B:鉛 C:尿
不適切です。鉛について尿中のデルタアミノレブリン酸を測定する点は正しいですが、スチレンの測定項目が馬尿酸ではありません。馬尿酸は、主にトルエンの代謝物として知られる項目です。スチレンでは、尿中のマンデル酸及びフェニルグリオキシル酸の総量を確認します。
(2) A:馬尿酸 B:水銀 C:血液
不適切です。馬尿酸はスチレンではなく、主にトルエンに関連する尿中代謝物です。また、デルタアミノレブリン酸は水銀ではなく鉛に関連して測定されます。水銀と鉛はいずれも有害金属として出題されやすいですが、測定項目を混同しないことが大切です。
(3) A:メチル馬尿酸 B:鉛 C:血液
不適切です。鉛が関係する点は正しいですが、デルタアミノレブリン酸は血液中ではなく尿中の量を測定します。また、メチル馬尿酸はキシレンの代謝物として覚える項目です。スチレンの代謝物はマンデル酸及びフェニルグリオキシル酸です。
(4) A:マンデル酸 B:水銀 C:血液
不適切です。スチレンについてマンデル酸を測定する点は正しいですが、後半が誤りです。デルタアミノレブリン酸は水銀ではなく鉛に関連する検査項目です。また、測定対象は血液中ではなく尿中です。一部だけ正しい選択肢なので、落ち着いてBとCまで確認する必要があります。
(5) A:マンデル酸 B:鉛 C:尿
適切です。スチレンについては、尿中のマンデル酸及びフェニルグリオキシル酸の総量を測定します。また、鉛については、尿中のデルタアミノレブリン酸の量を測定します。生物学的モニタリングでは、作業環境中の濃度だけではなく、実際に体内へ取り込まれた有害物質やその影響を把握することができます。
この問題で覚えるポイント
生物学的モニタリングは、有害物質の体内摂取量や体内影響を把握するために、血液や尿などを用いて行う検査です。スチレンは尿中のマンデル酸及びフェニルグリオキシル酸、トルエンは尿中の馬尿酸、キシレンは尿中のメチル馬尿酸と関連づけて覚えると整理しやすいです。鉛では、尿中デルタアミノレブリン酸が重要な測定項目です。試験では、有害物質名、測定試料が尿か血液か、測定する代謝物名の組合せが問われます。特に有機溶剤では、似た名称の代謝物が並ぶため、スチレンはマンデル酸、トルエンは馬尿酸、キシレンはメチル馬尿酸という対応を確実に押さえることが正誤判断に直結します。
ひっかけポイント
この問題では、スチレン、トルエン、キシレンの尿中代謝物を混同させる意図があります。馬尿酸、メチル馬尿酸、マンデル酸はいずれも名前が似ており、有機溶剤の代謝物としてまとめて覚えていると入れ替えに気づきにくくなります。また、鉛と水銀のように有害金属を入れ替えるひっかけや、尿中と血液中を入れ替えるひっかけもあります。一部の語句だけが正しい選択肢に見えても、A、B、Cのすべての組合せが正しいかを確認することが重要です。
