【ビル管過去問】令和3年度 問題115|給水配管材料と接合方法|鋼管・ステンレス鋼管・樹脂管・銅管を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|給水および排水の管理第115問

問題

給水設備の配管に関する語句の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 合成樹脂ライニング鋼管(ねじ接合) ―― 管端防食継手

(2) ステンレス鋼管(溶接接合) ―――――― TIG溶接

(3) 架橋ポリエチレン管 ―――――――――― 接着接合

(4) ポリブテン管 ――――――――――――― メカニカル形接合

(5) 銅管 ――――――――――――――――― 差込みろう接合

ビル管過去問|給水配管材料と接合方法を解説

この問題は、給水配管に使われる代表的な管材料と、それぞれに適した接合方法の組合せを問う問題です。配管材料には金属管と樹脂管があり、材質ごとに適した接合方法が異なります。正答は(3)で、架橋ポリエチレン管を接着接合とした点が誤りです。架橋ポリエチレン管は、通常、機械的に接続する継手を用いて接合し、塩化ビニル管のような接着剤による接合は行いません。給水配管では、材料の性質と接合方法をセットで覚えることが正誤判断の近道です。

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(1) 合成樹脂ライニング鋼管(ねじ接合) ―― 管端防食継手

適切です。合成樹脂ライニング鋼管は、鋼管の内面に樹脂ライニングを施して耐食性を高めた管です。しかし、ねじ接合を行うと管端部ではライニングが切れたり傷んだりしやすく、その部分から腐食が進むおそれがあります。そのため、ねじ接合部では管端部を防食するための管端防食継手を用いるのが一般的です。これはライニング鋼管の弱点を補う重要な措置であり、給水配管の維持管理上も大切な知識です。

(2) ステンレス鋼管(溶接接合) ―――――― TIG溶接

適切です。ステンレス鋼管は耐食性に優れ、給水配管でも広く用いられます。溶接接合を行う場合には、TIG溶接が代表的な方法です。TIG溶接は、タングステン電極を用いてアークを発生させ、不活性ガスで溶接部を保護しながら施工する方法で、きれいで精度の高い溶接がしやすい特徴があります。ステンレス鋼は溶接品質が配管性能に直結するため、こうした適切な溶接方法を選ぶことが大切です。

(3) 架橋ポリエチレン管 ―――――――――― 接着接合

不適切です。架橋ポリエチレン管は、柔軟性、耐熱性、耐食性に優れた樹脂管であり、主に継手を用いた機械的接合で施工します。接着接合は、硬質塩化ビニル管のように専用接着剤で管と継手を一体化させる方式であり、架橋ポリエチレン管には通常用いません。つまり、この選択肢は、樹脂管という共通点だけで接合方法まで同じだと誤認させる内容になっています。材質が樹脂でも、種類によって接合方法は異なるため、そこを区別して覚える必要があります。

(4) ポリブテン管 ――――――――――――― メカニカル形接合

適切です。ポリブテン管は、給水や給湯の配管に用いられる樹脂管で、耐熱性や施工性に優れています。接合には、メカニカル形接合のような専用継手を使う方法が一般的です。これは、工具や継手によって確実に接続する方式であり、樹脂管の特性に合った施工方法です。ポリブテン管も架橋ポリエチレン管と同様に、接着剤で固めるのではなく、継手によって接合する点を押さえておくと整理しやすいです。

(5) 銅管 ――――――――――――――――― 差込みろう接合

適切です。銅管は加工しやすく、耐食性にも優れるため、給水や給湯配管で用いられます。接合方法としては、差込みろう接合が代表的です。これは継手に管を差し込み、加熱してろう材を流し込むことで接合する方法です。ろう材がすき間に入り込んで強固な接合部をつくるため、気密性や水密性が求められる配管に適しています。銅管とろう接合は非常に基本的な組合せなので、定番知識として押さえておきたいところです。

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この問題で覚えるポイント

給水配管では、管材料ごとに適した接合方法が決まっており、その対応関係を整理して覚えることが重要です。鋼管類では、ねじ接合や溶接接合が基本になりますが、合成樹脂ライニング鋼管では管端部の防食対策が重要になります。ステンレス鋼管では耐食性の高さに加え、TIG溶接のような適切な溶接方法が使われます。銅管は差込みろう接合が基本で、金属管らしい接合法として押さえておくべきです。 一方、樹脂管は見た目の印象だけで判断せず、種類ごとの接合方法を区別する必要があります。架橋ポリエチレン管やポリブテン管は、どちらも継手を用いた機械的接合が基本です。接着接合が代表的なのは、主に硬質ポリ塩化ビニル管です。つまり、樹脂管だから接着、金属管だから溶接やねじ、という大まかな理解だけでは不十分で、管種ごとの標準的な接合方法までセットで覚えることが得点につながります。 さらに、試験では材料の名称、接合方法、特徴がそれぞれ別々に問われるのではなく、組合せとして出題されることが多いです。そのため、合成樹脂ライニング鋼管なら管端防食、ステンレス鋼管ならTIG溶接、銅管なら差込みろう接合、架橋ポリエチレン管やポリブテン管なら継手接合というように、ひとまとまりの知識として整理しておくことが大切です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、樹脂管という共通点だけで接合方法も同じだと思い込ませる点にあります。受験者は、架橋ポリエチレン管もポリブテン管も樹脂管だから、接着接合でもよさそうだと感じやすいです。しかし、実際には樹脂管の種類によって接合方法は異なり、接着接合が一般的なものと、継手による機械的接合が一般的なものを分けて理解しなければなりません。 また、正しい知識を細かく覚えていないと、聞いたことのある用語同士が並んでいるだけで正しそうに見えるのも落とし穴です。たとえば、架橋ポリエチレン管も接着接合も、それぞれ単独では配管分野でよく出てくる語句なので、組合せとして誤っていても違和感を持ちにくいです。試験作成者はこの曖昧な記憶を狙っています。 今後の対策としては、材料名だけ、接合方法だけで覚えるのではなく、何の管にどの接合を使うのかを対応表のように頭の中で整理することが大切です。似た名称や似た分類に引っぱられず、実務的にどう施工するかをイメージできるようになると、同テーマの問題にも対応しやすくなります。

独学で整理しづらい方はこちら。

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