【危険物取扱者乙種4類予想問題7】|問25|消火剤の種類と特徴|物理・化学を解説

問題

次の消火剤とその主な特徴の組合せとして、正しいものはどれか。

(1) 泡消火剤――可燃物の温度を急激に下げる冷却効果だけで消火する。

(2) 粉末消火剤――主として燃焼の連鎖反応を抑制する作用をもち、多くの火災に適用される。

(3) 二酸化炭素消火剤――可燃性液体を水で希釈して消火する。

(4) 水消火剤――酸素濃度を低下させる窒息効果だけで消火する。

(5) 強化液消火剤――液面を泡で覆い空気を遮断することだけで消火する。

危険物取扱者乙種4類|消火剤の種類と特徴を解説

消火剤は、それぞれ消火の仕組みが異なります。泡消火剤は主に窒息効果、粉末消火剤は主に抑制効果、二酸化炭素消火剤は主に窒息効果、水消火剤は主に冷却効果、強化液消火剤は冷却効果や抑制効果などを利用します。正しい組合せは、粉末消火剤が燃焼の連鎖反応を抑制する作用をもつとした(2)です。消火剤の問題では、「どの消火剤が、どの消火作用を主とするか」を対応させて覚えることが重要です。

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(1) 泡消火剤――可燃物の温度を急激に下げる冷却効果だけで消火する。

不適切です。泡消火剤は、可燃性液体の表面を泡で覆い、空気中の酸素との接触を遮断することで燃焼を抑える消火剤です。主な作用は窒息効果です。また、泡に含まれる水分による冷却効果もありますが、「冷却効果だけで消火する」とするのは誤りです。特に第4類危険物のような引火性液体の火災では、液面を覆って可燃性蒸気の発生や空気との接触を抑えることが重要になります。泡消火剤は、水のように単純に温度を下げることだけを目的とした消火剤ではありません。

(2) 粉末消火剤――主として燃焼の連鎖反応を抑制する作用をもち、多くの火災に適用される。

適切です。粉末消火剤は、燃焼中に起こっている化学的な連鎖反応を抑える作用をもつ消火剤です。この作用を抑制効果、または負触媒効果といいます。燃焼は、可燃物、酸素、点火源だけでなく、燃焼が続くための化学反応によって継続します。粉末消火剤はこの反応を妨げるため、すばやい消火効果を発揮します。種類によって対応できる火災は異なりますが、普通火災、油火災、電気火災など幅広く使用されるものがあります。乙種4類では、第4類危険物の火災に対して粉末消火剤が有効であることも重要です。

(3) 二酸化炭素消火剤――可燃性液体を水で希釈して消火する。

不適切です。二酸化炭素消火剤は、空気中の酸素濃度を低下させ、燃焼に必要な酸素を不足させることで消火します。主な作用は窒息効果です。二酸化炭素は気体として放出されるため、可燃性液体を水で薄める作用はありません。また、第4類危険物の多くは水に溶けにくく、水で希釈して消火するという考え方自体が適さない場合が多いです。二酸化炭素消火剤は、消火後に水のような残留物を残しにくいため、電気設備などの火災にも使われますが、密閉性の低い場所では効果が弱くなりやすい点にも注意が必要です。

(4) 水消火剤――酸素濃度を低下させる窒息効果だけで消火する。

不適切です。水消火剤の主な消火作用は冷却効果です。水は比熱や蒸発熱が大きく、燃えている物の熱を奪って温度を下げることで、燃焼を継続できない状態にします。水が蒸発して水蒸気になることで、周囲の酸素濃度を多少下げる効果が生じることもありますが、「窒息効果だけで消火する」とするのは誤りです。また、第4類危険物の多くは水より軽く、水に溶けにくいため、水をかけると燃えている液体が水面に広がり、かえって火災が拡大するおそれがあります。水消火剤は万能ではなく、対象物に応じた使い分けが必要です。

(5) 強化液消火剤――液面を泡で覆い空気を遮断することだけで消火する。

不適切です。強化液消火剤は、水に炭酸カリウムなどの薬剤を加えた消火剤で、主に冷却効果や抑制効果を利用します。普通火災に対しては冷却効果が働き、油火災に対しては薬剤による抑制効果などが期待されます。泡のように液面を覆って空気を遮断することを主な特徴とするのは、泡消火剤です。強化液消火剤と泡消火剤は名前も働きも異なるため、混同しないようにしましょう。「液面を覆う」「空気を遮断する」という表現が出た場合は、まず泡消火剤を考えるのが基本です。

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この問題で覚えるポイント

消火剤は、消火作用とセットで整理すると正誤判断がしやすくなります。水消火剤は主に冷却効果で、燃焼物の温度を下げて消火します。泡消火剤は主に窒息効果で、可燃性液体の表面を泡で覆い、空気との接触を遮断します。二酸化炭素消火剤は主に窒息効果で、酸素濃度を低下させて消火します。粉末消火剤は主に抑制効果で、燃焼の連鎖反応を化学的に妨げます。強化液消火剤は、冷却効果に加えて薬剤による抑制効果などを利用します。第4類危険物では、可燃性液体の多くが水に溶けにくく、水より軽いものが多いため、水を直接かけると火災が広がることがあります。油火災には泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素消火剤などが有効であることを押さえておくと、同じテーマの問題に対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題では、消火剤の名前と消火作用を入れ替えて誤らせる作りになっています。泡消火剤は「泡」という見た目から冷やしているように感じるかもしれませんが、主な働きは液面を覆って空気を遮断する窒息効果です。二酸化炭素消火剤は「気体を使う消火剤」なので、水で希釈するという説明とは結びつきません。水消火剤は日常感覚では火を消す代表ですが、専門的には主作用は冷却効果であり、窒息効果だけではありません。強化液消火剤も名前から特殊な液体の膜を作るように見えますが、泡で液面を覆う主役は泡消火剤です。このように、一部だけもっともらしい説明に別の消火剤の特徴を混ぜるパターンはよく出るため、「消火剤名、主作用、適する火災」を一組で覚えることが大切です。

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