【危険物取扱者乙種4類予想問題7】|問24|消火作用|物理・化学を解説

問題

次の消火作用に関する説明として、正しいものはどれか。

(1) 乾燥砂による消火は、燃焼物を急速に冷却する作用を主とする。

(2) 二酸化炭素消火剤は、可燃物を水で希釈することで燃焼を停止させる。

(3) 泡消火剤は、可燃物の表面を覆って空気との接触を遮断し、燃焼を抑制する。

(4) 除去消火とは、燃焼の連鎖反応を化学的に抑制する消火方法である。

(5) 酸素供給源を内部に持つ物質の燃焼には、窒息消火が常に最も効果的である。

危険物取扱者乙種4類|消火作用を解説

消火作用では、冷却消火、窒息消火、除去消火、抑制消火の違いを正しく区別することが重要です。正解は(3)です。泡消火剤は、可燃性液体などの表面を泡で覆い、空気中の酸素との接触を遮断する窒息効果によって燃焼を抑えます。消火剤ごとの主な作用を覚えておくと、選択肢の表現が少し変わっても判断しやすくなります。

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(1) 乾燥砂による消火は、燃焼物を急速に冷却する作用を主とする。

不適切です。乾燥砂による消火の主な作用は、燃焼物を覆って空気との接触を遮断する窒息効果です。砂には水のように大きな冷却作用は期待できません。特に危険物火災では、水を使うと危険物が広がったり、反応したりする場合があるため、乾燥砂で覆って酸素を断つ方法が用いられます。「砂をかけると熱が下がる」という日常的な感覚から冷却消火と考えやすいですが、試験では主作用を問われるため、乾燥砂は窒息消火と整理します。

(2) 二酸化炭素消火剤は、可燃物を水で希釈することで燃焼を停止させる。

不適切です。二酸化炭素消火剤は、空気中の酸素濃度を低下させることにより、燃焼に必要な酸素を不足させて消火します。これは窒息消火です。水で薄める希釈効果は、水溶性液体などで考えられる場合がありますが、二酸化炭素消火剤の主な作用ではありません。二酸化炭素は気体として放出され、燃焼部分の周囲を覆うようにして酸素の供給を妨げるため、電気設備火災などにも使われることがあります。

(3) 泡消火剤は、可燃物の表面を覆って空気との接触を遮断し、燃焼を抑制する。

適切です。泡消火剤は、可燃性液体の表面を泡で覆い、液面から発生する可燃性蒸気と空気中の酸素との接触を妨げます。これにより、燃焼の継続に必要な酸素の供給が断たれ、火勢が抑えられます。特に第4類危険物のような引火性液体では、液体そのものではなく液面から発生した蒸気が燃えるため、液面を泡で覆うことが有効です。泡には一定の冷却効果もありますが、試験上は主に窒息効果として押さえるのが重要です。

(4) 除去消火とは、燃焼の連鎖反応を化学的に抑制する消火方法である。

不適切です。除去消火とは、燃焼に必要な可燃物を取り除くことで燃焼を止める方法です。例えば、ガスの元栓を閉める、燃えている場所の周囲から可燃物を取り除く、油の供給を止めるといった方法が該当します。燃焼の連鎖反応を化学的に抑える消火方法は、抑制消火または負触媒作用による消火と呼ばれます。粉末消火剤などで問われやすい考え方です。除去消火と抑制消火は名前だけで判断せず、「何を取り除くのか」「何を止めるのか」で区別します。

(5) 酸素供給源を内部に持つ物質の燃焼には、窒息消火が常に最も効果的である。

不適切です。酸素供給源を内部に持つ物質は、空気中の酸素を遮断しても燃焼が続く場合があります。そのため、窒息消火が常に最も効果的とはいえません。例えば、酸化性物質や自己反応性物質のように、物質自体が燃焼を助ける酸素を供給したり、分解によって燃焼を継続したりするものでは、単に空気を遮断するだけでは不十分なことがあります。「常に」「必ず」「最も」といった断定表現は、危険物試験では誤りになりやすいので注意が必要です。

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この問題で覚えるポイント

消火の基本は、燃焼の三要素である可燃物、酸素供給源、点火源のいずれかを取り除くことです。冷却消火は、可燃物の温度を発火点や燃焼継続に必要な温度より下げる方法で、水による消火が代表例です。窒息消火は、空気中の酸素との接触を遮断する方法で、泡消火剤、二酸化炭素消火剤、乾燥砂などが代表例です。除去消火は、燃えている物や燃料の供給を取り除く方法で、ガスの元栓を閉める、可燃物を移動させるなどが該当します。抑制消火は、燃焼の連鎖反応を化学的に妨げる方法で、粉末消火剤などで問われます。泡消火剤は液面を覆って可燃性蒸気の発生や酸素との接触を抑えるため、第4類危険物の液体火災と相性がよいです。ただし、すべての火災に同じ消火方法が有効とは限らず、物質が酸素供給源を内部に持つ場合や水と反応する場合は、通常の窒息消火や水による冷却消火が不十分または危険になることがあります。

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ひっかけポイント

このテーマでは、消火剤の名前から何となく作用を想像してしまうことが誤答につながります。乾燥砂は「砂で熱を奪う」と考えると冷却消火に見えますが、主作用は覆って酸素を遮断する窒息消火です。二酸化炭素は「消火剤だから何かを薄める」と考えやすいですが、水で希釈するのではなく、酸素濃度を下げることが本質です。除去消火と抑制消火も混同されやすく、除去消火は可燃物や燃料の供給を取り除く方法、抑制消火は燃焼反応そのものを化学的に止める方法です。また、「常に最も効果的」のような断定表現は危険です。危険物には空気を遮断しても燃え続けるものや、水を使うとかえって危険なものがあるため、消火方法は物質の性質に応じて選ぶ必要があります。

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