問題
次のうち、気体に関する法則とその内容の組合せとして、正しいものはどれか。
(1) ボイルの法則―一定温度では、気体の体積は圧力に反比例する。
(2) シャルルの法則―一定温度では、気体の体積は圧力に比例する。
(3) アボガドロの法則―一定圧力では、気体体積は温度に関係なく一定である。
(4) ボイル・シャルルの法則―一定温度では、反応する気体の体積比は簡単な整数比となる。
(5) 定比例の法則―同一温度、同一圧力、同一体積の気体には、気体の種類によらず異なる数の分子が含まれる。
危険物取扱者乙種4類|気体の法則を解説
気体の法則では、「温度」「圧力」「体積」「分子数」のどれを一定にするかが正誤判断の中心になります。正解は(1)です。ボイルの法則は、温度が一定のとき、気体の体積が圧力に反比例するという法則です。圧力を2倍にすると体積は2分の1になり、圧力を半分にすると体積は2倍になります。

(1) ボイルの法則―一定温度では、気体の体積は圧力に反比例する。
適切です。ボイルの法則は、温度が一定の条件で、一定量の気体の圧力と体積の関係を表す法則です。圧力が大きくなると気体は押し縮められるため、体積は小さくなります。反対に、圧力が小さくなると気体は広がり、体積は大きくなります。この関係は「反比例」と表され、式ではPV=一定となります。危険物取扱者試験では、ボイルの法則は「一定温度」「圧力と体積」「反比例」という組合せで覚えると判断しやすくなります。
(2) シャルルの法則―一定温度では、気体の体積は圧力に比例する。
不適切です。シャルルの法則は、圧力が一定のとき、一定量の気体の体積が絶対温度に比例するという法則です。温度が上がると気体分子の運動が活発になり、同じ圧力を保つためには体積が大きくなります。ここで重要なのは、温度は摂氏温度ではなく絶対温度で考える点です。この選択肢は「一定温度」としているうえに、圧力との比例関係を述べているため、シャルルの法則の説明として誤りです。
(3) アボガドロの法則―一定圧力では、気体体積は温度に関係なく一定である。
不適切です。アボガドロの法則は、同じ温度、同じ圧力のもとでは、同じ体積の気体には、気体の種類に関係なく同じ数の分子が含まれるという法則です。気体の体積が温度に関係なく一定であるという内容ではありません。気体の体積は温度の影響を受けるため、一定圧力で温度が上がれば、一般に体積は大きくなります。この選択肢は、アボガドロの法則とシャルルの法則に関係する内容を混同しています。
(4) ボイル・シャルルの法則―一定温度では、反応する気体の体積比は簡単な整数比となる。
不適切です。ボイル・シャルルの法則は、一定量の気体について、圧力、体積、絶対温度の関係をまとめた法則です。式ではPV/T=一定と表されます。選択肢の「反応する気体の体積比は簡単な整数比となる」という内容は、気体反応の法則に関する説明です。ボイル・シャルルの法則は、化学反応の体積比を示す法則ではなく、気体の状態変化を扱う法則です。
(5) 定比例の法則―同一温度、同一圧力、同一体積の気体には、気体の種類によらず異なる数の分子が含まれる。
不適切です。定比例の法則は、ある化合物をつくる元素の質量比は常に一定であるという法則です。たとえば、水は水素と酸素が一定の割合で結びついてできています。この選択肢の内容は気体の分子数に関する説明ですが、しかも「異なる数の分子」としている点が誤りです。同じ温度、同じ圧力、同じ体積の気体には、気体の種類に関係なく同じ数の分子が含まれます。これはアボガドロの法則の内容です。
この問題で覚えるポイント
気体の法則は、何を一定にするかで整理すると得点しやすくなります。ボイルの法則は、温度一定で圧力と体積が反比例する法則です。式ではPV=一定です。シャルルの法則は、圧力一定で体積と絶対温度が比例する法則です。式ではV/T=一定です。ボイル・シャルルの法則は、一定量の気体について圧力、体積、絶対温度の関係をまとめたもので、PV/T=一定です。アボガドロの法則は、同温同圧同体積の気体には、気体の種類に関係なく同じ数の分子が含まれるという法則です。気体反応の法則は、同温同圧で反応する気体の体積比が簡単な整数比になるという法則です。定比例の法則は、化合物を構成する元素の質量比が常に一定であるという法則です。気体の体積を考えるときの温度は、原則として絶対温度を使います。摂氏温度のまま比例関係を考えないことが重要です。
ひっかけポイント
この問題では、法則名と説明文の一部を入れ替えて誤答を誘う構成になっています。特に、ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル・シャルルの法則は、どれも圧力、体積、温度が関係するため混同しやすいです。「一定温度」「一定圧力」「絶対温度に比例」「圧力に反比例」という条件を見落とすと誤答につながります。また、アボガドロの法則は「同温同圧同体積なら同じ分子数」と覚える必要があります。「気体の種類によらず」という部分だけを見ると正しそうに見えますが、「異なる数の分子」と書かれていれば誤りです。さらに、気体反応の法則や定比例の法則のように、気体や化合物に関係する別の法則を混ぜてくるパターンもよくあります。法則名だけで判断せず、何が一定で、何と何が比例または反比例するのかを確認することが大切です。
