問題
次の気体の性質と用途の組合せとして、正しいものはどれか。
(1) 酸素―空気中で最も多く含まれる気体であり、消火剤として用いられる。
(2) 水素―可燃性気体であり、燃焼すると水を生成する。
(3) 二酸化炭素―空気より軽く、風船の充てんに用いられる。
(4) 窒素―石灰水を白くにごらせる性質があり、燃焼を助ける。
(5) アンモニア―水にほとんど溶けず、無臭である。
危険物取扱者乙種4類|気体の性質と用途を解説
気体の性質では、空気中の割合、燃焼性、助燃性、水への溶けやすさ、空気との重さの比較、代表的な用途を整理して判断することが重要です。正しい組合せは(2)です。水素は可燃性の気体で、酸素と反応して燃焼すると水を生成します。酸素、二酸化炭素、窒素、アンモニアはそれぞれ特徴が大きく異なるため、用途と性質を入れ替えたひっかけに注意が必要です。

(1) 酸素―空気中で最も多く含まれる気体であり、消火剤として用いられる。
不適切です。酸素は空気中に約21%含まれる気体ですが、空気中で最も多い気体ではありません。空気中で最も多いのは窒素で、約78%を占めます。また、酸素には物質の燃焼を助ける性質があります。これを助燃性といいます。酸素そのものは通常は可燃物ではありませんが、可燃物の燃焼を激しくするため、消火剤として用いるという説明は誤りです。消火では、酸素の供給を断つことが重要であり、酸素を加えることは火災を拡大させる方向に働きます。
(2) 水素―可燃性気体であり、燃焼すると水を生成する。
適切です。水素は非常に燃えやすい可燃性気体です。酸素と反応して燃焼すると、水を生成します。反応式で表すと、2H₂+O₂→2H₂Oとなります。水素は空気より非常に軽い気体で、燃焼範囲も広く、空気と混合した状態で点火源があると爆発的に燃焼する危険があります。危険物取扱者乙種4類では、可燃性気体そのものが第4類危険物に該当するわけではありませんが、燃焼や爆発の基礎知識として水素の性質はよく問われます。
(3) 二酸化炭素―空気より軽く、風船の充てんに用いられる。
不適切です。二酸化炭素は空気より重い気体です。そのため、低い場所にたまりやすい性質があります。また、二酸化炭素は燃焼を助けず、空気中の酸素濃度を下げることで窒息消火に利用されます。二酸化炭素消火器がその代表例です。風船の充てんに使われる気体として代表的なのは、空気より軽く、化学的に安定しているヘリウムです。水素も空気より軽い気体ですが、可燃性が高く危険であるため、一般的な風船の充てんには適しません。
(4) 窒素―石灰水を白くにごらせる性質があり、燃焼を助ける。
不適切です。窒素は空気中で最も多く含まれる気体で、通常の条件では反応しにくい安定した気体です。燃焼を助ける性質はなく、むしろ酸素濃度を下げることで燃焼を抑える方向に働きます。石灰水を白くにごらせる性質があるのは二酸化炭素です。二酸化炭素が石灰水中の水酸化カルシウムと反応して、白色の炭酸カルシウムを生じるためです。窒素と二酸化炭素の性質を入れ替えた典型的な誤りです。
(5) アンモニア―水にほとんど溶けず、無臭である。
不適切です。アンモニアは水に非常によく溶ける気体です。また、無臭ではなく、刺激のある特有のにおいを持ちます。アンモニアは空気より軽く、水に溶けるとアンモニア水となり、弱いアルカリ性を示します。水に溶けやすい気体としてはアンモニアや塩化水素が代表的です。無臭である、または水にほとんど溶けないという説明はアンモニアの重要な性質と反対になっています。
この問題で覚えるポイント
気体の性質では、酸素は空気中に約21%含まれ、燃焼を助ける助燃性を持つことを覚えます。空気中で最も多い気体は窒素で、約78%を占め、通常は反応しにくく燃焼を助けません。水素は空気より軽い可燃性気体で、燃焼すると水を生成します。二酸化炭素は空気より重く、燃焼を助けず、石灰水を白くにごらせ、消火剤として利用されます。アンモニアは空気より軽く、水に非常によく溶け、刺激臭がある気体です。試験では、酸素と窒素の空気中の割合、二酸化炭素と窒素の性質、水素とヘリウムの用途、アンモニアの水への溶けやすさが入れ替えられやすいため、気体名と特徴をセットで押さえることが正誤判断に直結します。
ひっかけポイント
この問題では、文章の一部だけを見ると正しく感じる表現に注意が必要です。たとえば酸素は空気中に含まれる気体ですが、最も多いわけではなく、消火剤ではなく燃焼を助ける気体です。二酸化炭素は消火に使われるため安全な気体という印象がありますが、空気より重く、風船に使う軽い気体ではありません。窒素は空気中で最も多いという知識と、二酸化炭素が石灰水を白くにごらせる知識を混同しやすいところです。アンモニアは気体というだけで水に溶けにくいと考えてしまうと誤ります。気体の問題では、燃えるか、燃焼を助けるか、消火に使えるか、空気より重いか軽いか、水に溶けやすいかを分けて判断することが大切です。
