問題
次の変化のうち、化学変化に該当するものはどれか。
(1) ドライアイスが気体の二酸化炭素になる。
(2) 銅線を曲げて形を変える。
(3) 氷が溶けて水になる。
(4) 鉄粉が硫黄と加熱されて硫化鉄になる。
(5) エタノールが蒸発して気体になる。
危険物取扱者乙種4類|化学変化と物理変化を解説
化学変化と物理変化の違いは、変化の前後で別の物質ができるかどうかです。正解は(4)です。鉄粉と硫黄を加熱すると、鉄と硫黄が化合して硫化鉄という新しい物質ができます。物質そのものが変わっているため、これは化学変化に該当します。これに対して、状態変化や形の変化は、見た目や状態が変わっても物質の種類は変わらないため、物理変化です。

(1) ドライアイスが気体の二酸化炭素になる。
不適切です。ドライアイスは固体の二酸化炭素です。これが気体の二酸化炭素になる変化は、固体から気体へ直接変化する昇華です。変化の前後で物質はどちらも二酸化炭素であり、新しい物質はできていません。状態が変わっただけなので、化学変化ではなく物理変化です。
(2) 銅線を曲げて形を変える。
不適切です。銅線を曲げると形は変わりますが、物質としての銅は銅のままです。銅が別の物質に変わったわけではありません。形状の変化は物質の種類を変えないため、物理変化に分類されます。試験では、形が大きく変わっていても、物質名が変わらない場合は物理変化と判断します。
(3) 氷が溶けて水になる。
不適切です。氷は固体の水であり、液体の水になる変化は融解です。固体から液体へ状態が変わっていますが、物質は水のままです。化学式で考えると、氷も水もH₂Oであり、新しい物質は生成していません。そのため、これは化学変化ではなく物理変化です。
(4) 鉄粉が硫黄と加熱されて硫化鉄になる。
適切です。鉄と硫黄を加熱すると、化合して硫化鉄という別の物質が生成します。鉄粉と硫黄を単に混ぜただけであれば混合物ですが、加熱によって化学反応が起こると、性質の異なる硫化鉄になります。変化の前後で物質の種類が変わっているため、化学変化です。化学変化では、燃焼、酸化、分解、化合などにより、新しい物質ができる点が重要です。
(5) エタノールが蒸発して気体になる。
不適切です。エタノールが液体から気体になる変化は蒸発です。液体のエタノールも気体のエタノールも、物質としてはエタノールのままです。状態が変わっただけで新しい物質はできていないため、これは物理変化です。危険物取扱者試験では、第4類危険物の可燃性蒸気とも関連して、液体が蒸発しても物質自体は変化していない点を押さえておくと理解しやすくなります。
この問題で覚えるポイント
化学変化とは、変化の前後で物質の種類が変わり、新しい物質ができる変化です。燃焼、酸化、分解、化合、腐食などは化学変化として出題されやすいです。物理変化とは、物質の種類は変わらず、状態、形、大きさ、位置などが変わるだけの変化です。融解、凝固、蒸発、沸騰、凝縮、昇華などの状態変化は、原則として物理変化です。氷が水になる、水が水蒸気になる、ドライアイスが二酸化炭素の気体になる場合は、見た目や状態は大きく変わりますが、物質名は変わりません。正誤判断では、「見た目が変わったか」ではなく、「別の物質ができたか」を基準に考えることが大切です。鉄と硫黄から硫化鉄ができるように、反応後に物質名が変わる場合は化学変化と判断します。
ひっかけポイント
このテーマでよくある誤答の原因は、状態変化を化学変化だと思い込むことです。固体が気体になる、液体が気体になる、固体が液体になるといった変化は見た目が大きく変わるため、別の物質になったように感じやすいですが、物質の種類が同じなら物理変化です。また、銅線を曲げるような形の変化も、日常感覚では「変化した」と感じますが、化学的には銅のままであるため物理変化です。試験では、「加熱された」という言葉だけで化学変化と判断しないことも重要です。加熱によって氷が水になる場合は物理変化ですが、鉄と硫黄が反応して硫化鉄になる場合は化学変化です。加熱の有無ではなく、新しい物質が生成したかどうかを確認することが、このパターンの問題を解く決め手になります。
