【危険物取扱者乙種4類予想問題6】|問31|重油の性質|性質・消火を解説

問題

重油の性質について、正しいものはどれか。

(1) 水と任意の割合で混ざり合う。

(2) 引火点は0℃以下である。

(3) 蒸気は空気より軽く、高所に滞留しやすい。

(4) 黒褐色の油状液体で、水に溶けにくく、引火点は60℃以上である。

(5) 燃焼すると塩化水素を多量に発生する。

危険物取扱者乙種4類|重油の性質を解説

重油は第4類危険物のうち、第3石油類に分類される油状の液体で、一般に黒褐色で水に溶けにくく、引火点が高いことが特徴です。正解は(4)です。重油はガソリンやジエチルエーテルのような低引火点の危険物ではなく、常温でただちに引火しやすい性質は弱いものの、加熱されると可燃性蒸気を発生し、火災危険が高まります。

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(1) 水と任意の割合で混ざり合う。

不適切です。重油は水に溶けにくい非水溶性の油状液体です。第4類危険物には、アルコール類やアセトンのように水と混ざりやすいものもありますが、重油はそれらとは異なり、水とは分離します。重油が水面に流出すると、水に溶けて薄まるのではなく、水面に広がって燃焼範囲を広げるおそれがあります。試験では「水と任意の割合で混ざり合う」という表現は、水溶性の危険物に関する特徴として判断することが大切です。

(2) 引火点は0℃以下である。

不適切です。重油の引火点は一般に60℃以上です。引火点が0℃以下というのは、ガソリン、ジエチルエーテル、二硫化炭素など、非常に引火しやすい危険物に見られる特徴です。重油はこれらに比べて揮発しにくく、常温で大量の可燃性蒸気を発生する性質は強くありません。ただし、引火点が高いから安全という意味ではなく、加熱や霧状化により引火・燃焼の危険が高まる点に注意が必要です。

(3) 蒸気は空気より軽く、高所に滞留しやすい。

不適切です。第4類危険物の可燃性蒸気は、一般に空気より重いものが多く、低所に流れたり、くぼみや排水溝などに滞留したりしやすい性質があります。重油はガソリンなどに比べて揮発しにくいものの、加熱されて発生した蒸気や油のミストは、火源に近づくと引火するおそれがあります。「蒸気は空気より軽い」と考えると、換気や火気管理の方向を誤りやすいため、危険物取扱者試験では「第4類の蒸気は低所に滞留しやすい」と押さえておくと判断しやすくなります。

(4) 黒褐色の油状液体で、水に溶けにくく、引火点は60℃以上である。

適切です。重油は黒褐色の粘性をもつ油状液体で、水に溶けにくい非水溶性液体です。また、引火点は60℃以上であり、第4類危険物の中では比較的引火点が高い物質です。重油はボイラー燃料や船舶燃料などとして使われることが多く、軽質のガソリンのように常温で激しく蒸発する性質は弱いですが、加熱されると可燃性蒸気を発生します。水に溶けにくい油であるため、火災時に水だけで対応すると油が広がり、火災拡大につながる場合があります。

(5) 燃焼すると塩化水素を多量に発生する。

不適切です。重油は主に炭化水素を成分とする石油系の危険物であり、燃焼すると主に二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素、すすなどを発生します。塩化水素は、塩素を含む物質が燃焼または熱分解した場合に発生しやすいガスです。重油そのものの代表的な燃焼生成物として、塩化水素を多量に発生するとはいえません。重油の燃焼では、黒煙やすすが多く発生しやすい点を押さえておくとよいです。

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この問題で覚えるポイント

重油は第4類危険物の石油類に属する油状液体で、黒褐色、粘性がある、水に溶けにくい、引火点が60℃以上という特徴を押さえることが重要です。重油はガソリンのような低引火点の危険物ではなく、常温では揮発しにくいものの、加熱されると可燃性蒸気を発生して引火の危険が生じます。第4類危険物の多くは水に溶けにくく、水より軽いものが多いため、水面に広がって火災を拡大させるおそれがあります。水溶性の危険物として問われやすいものには、アルコール類、アセトンなどがあります。非水溶性の石油類として問われやすいものには、ガソリン、灯油、軽油、重油などがあります。引火点の比較では、ガソリンは非常に低く、灯油や軽油は40℃以上、重油は60℃以上と整理すると判断しやすくなります。重油は燃焼時に黒煙やすすを発生しやすく、塩化水素を多量に発生する物質ではありません。消火では、水に溶けない油であることから、水で単純に流すと拡散のおそれがあり、泡消火剤などで液面を覆い、空気との接触を遮断する考え方が重要です。

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ひっかけポイント

重油は「危険物」という言葉から、ガソリンのように引火点が非常に低いと考えてしまうと誤答しやすい物質です。第4類危険物には低引火点のものから高引火点のものまであり、重油は比較的引火点が高い石油類として区別する必要があります。また、「水に混ざる」「蒸気が空気より軽い」といった表現は、第4類危険物の一般的性質とは逆方向のひっかけです。特に水溶性と非水溶性の混同は頻出で、アルコール類やアセトンの性質を、重油のような石油類に当てはめないことが大切です。燃焼生成物についても、危険なガスが出るという印象だけで塩化水素を選ぶのは危険です。塩化水素は塩素を含む物質と結びつけ、重油では黒煙、すす、一酸化炭素などを意識すると正誤判断が安定します。

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