問題
物質の状態変化および水の性質に関する記述として、誤っているものはどれか。
(1) 凝縮とは、気体が液体に変化する現象である。
(2) 固体が直接気体になる現象を昇華という。
(3) 純水に食塩を溶かすと、一般に沸点は高くなる。
(4) 水は約4℃で密度が最大となる。
(5) 水が蒸発して水蒸気になるときには、周囲へ熱を放出する。
危険物取扱者乙種4類|物質の状態変化と水の性質を解説
物質の状態変化と水の基本的性質について、用語の意味と熱の出入りを正しく判断する問題です。答えは(5)です。水が蒸発して水蒸気になるときは、周囲から熱を吸収します。蒸発は液体から気体への変化であり、分子が液体の状態から飛び出すためにエネルギーを必要とするからです。

(1) 凝縮とは、気体が液体に変化する現象である。
適切です。凝縮とは、気体が冷やされるなどして液体に変化する現象です。たとえば、水蒸気が冷たいコップの表面で水滴になる現象が凝縮です。状態変化では、気体から液体になるときに熱を放出します。液体から気体になる蒸発とは反対の変化として整理しておくと覚えやすいです。
(2) 固体が直接気体になる現象を昇華という。
適切です。昇華とは、固体が液体を経ずに直接気体へ変化する現象です。代表例として、ドライアイスが液体にならず二酸化炭素の気体になる現象があります。なお、気体が直接固体になる変化も広い意味で昇華と扱われることがありますが、試験では「固体から気体へ直接変化する現象」として問われることが多いです。
(3) 純水に食塩を溶かすと、一般に沸点は高くなる。
適切です。純水に食塩などの不揮発性の物質を溶かすと、沸点は純水より高くなります。これを沸点上昇といいます。食塩水は純水よりも沸騰しにくくなるため、100℃より高い温度で沸騰します。危険物試験では、食塩を溶かすと沸点は上がり、凝固点は下がるという関係もあわせて覚えておくと有効です。
(4) 水は約4℃で密度が最大となる。
適切です。水は約4℃で密度が最大になります。多くの物質は冷えるほど密度が大きくなりますが、水は例外的な性質を持っています。水は0℃で氷になると体積が増え、密度が小さくなるため、氷は水に浮きます。この「約4℃で密度最大」という数値は、物理・化学分野でよく問われる重要知識です。
(5) 水が蒸発して水蒸気になるときには、周囲へ熱を放出する。
不適切です。水が蒸発して水蒸気になるときは、周囲へ熱を放出するのではなく、周囲から熱を吸収します。蒸発は液体から気体への変化であり、水分子が液体表面から飛び出すためにエネルギーが必要です。汗が蒸発すると体が冷えるのは、汗が皮膚から熱を奪って蒸発するためです。熱を放出するのは、気体が液体になる凝縮や、液体が固体になる凝固の場合です。
この問題で覚えるポイント
状態変化では、液体から気体になる蒸発、固体から液体になる融解、固体から気体になる昇華は、周囲から熱を吸収する変化です。反対に、気体から液体になる凝縮、液体から固体になる凝固は、周囲へ熱を放出する変化です。凝縮は気体から液体、蒸発は液体から気体、昇華は固体から気体への変化として区別します。純水に食塩などを溶かすと沸点は上昇し、凝固点は低下します。水は約4℃で密度が最大となり、氷になると体積が増えて密度が小さくなるため水に浮きます。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、状態変化の名前は正しく見えても、熱の出入りが逆にされている点です。蒸発は身近な現象なので簡単に見えますが、「水蒸気になる」という言葉だけを見ると、熱を持って外へ出ていくように感じてしまうことがあります。実際には、蒸発するために周囲から熱を奪います。また、凝縮と蒸発、融解と凝固のように、反対方向の状態変化では熱の出入りも反対になります。用語だけで判断せず、「どの状態からどの状態へ変わるのか」と「熱を吸収するのか、放出するのか」をセットで確認することが大切です。
