【危険物取扱者乙種4類予想問題5】|問33|第4石油類の性質|性質・消火を解説

問題

第4石油類の性質として、正しいものは次のうちどれか。

(1) 引火点が常温より低いため、室温でも容易に引火する。

(2) 水より軽く、水にほとんど溶けないものが多く、引火点は第1石油類や第2石油類より高い。

(3) 水とよく混ざるため、水による希釈消火が最も有効である。

(4) 揮発性が非常に高く、蒸気は空気より軽いものが多い。

(5) 発火点が低いため、自然発火しやすい危険物である。

危険物取扱者乙種4類|第4石油類の性質を解説

第4石油類は、1気圧において引火点が200℃以上250℃未満の引火性液体で、潤滑油、ギヤー油、シリンダー油などが代表例です。第1石油類や第2石油類と比べて引火点が高く、常温では可燃性蒸気を発生しにくいため、引火の危険性は比較的低いといえます。ただし、加熱されて引火点以上になると燃焼する危険物であり、安全という意味ではありません。また、多くは水より軽く、水にほとんど溶けないため、水による希釈消火には適していません。【答えは(2)です。】第4石油類の代表的な性質である「引火点が高い」「揮発しにくい」「水に溶けにくい」という特徴を正しく表しているためです。

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(1) 引火点が常温より低いため、室温でも容易に引火する。

不適切です。第4石油類の引火点は200℃以上250℃未満であり、一般的な室温よりもはるかに高い温度です。引火点とは、液体から発生した蒸気が空気と混ざり、火花や炎などの点火源を近づけたときに燃え始める最低の液温をいいます。第4石油類は常温では可燃性蒸気の発生量が少ないため、ガソリンやベンゼンなどの第1石油類のように、室温で容易に引火するものではありません。ただし、常温で引火しにくいことと、燃えないことは異なります。機械設備や加熱装置の近くで温度が上昇し、液温が引火点に近づくと、可燃性蒸気が発生して引火する危険性が高まります。第4石油類は引火点が高いという特徴を持ちますが、加熱時の火気管理は必要です。

(2) 水より軽く、水にほとんど溶けないものが多く、引火点は第1石油類や第2石油類より高い。

適切です。第4石油類には潤滑油、ギヤー油、シリンダー油などがあり、多くは水より軽く、水にほとんど溶けない油状の液体です。水と混ざらないため、漏えいした場所に水をかけても、危険物そのものを十分に薄めることはできません。水面上に油が浮いて広がると、燃焼範囲が拡大するおそれもあります。また、第4石油類の引火点は200℃以上250℃未満です。第1石油類は引火点が21℃未満、第2石油類は引火点が21℃以上70℃未満であるため、第4石油類の引火点はこれらより明らかに高くなっています。引火点が高いほど、通常の温度では可燃性蒸気が発生しにくく、点火源を近づけても直ちに引火しにくい傾向があります。この選択肢は、第4石油類について試験で問われやすい「水に溶けにくい」「水より軽いものが多い」「引火点が高い」という特徴を正しく組み合わせています。

(3) 水とよく混ざるため、水による希釈消火が最も有効である。

不適切です。第4石油類の多くは非水溶性であり、水とよく混ざりません。そのため、水を加えて危険物の濃度を下げる希釈消火は、基本的に期待できません。希釈消火が有効なのは、アルコール類のように水とよく混ざる水溶性の危険物です。水に溶けない油に棒状の水を勢いよく放射すると、燃えている油を周囲へ押し流したり、飛散させたりして、火災を拡大させる危険があります。第4石油類の火災では、泡消火剤などで液面を覆って空気を遮断する窒息消火や、粉末消火剤、二酸化炭素消火剤などの使用が基本となります。水は容器や周囲の設備を冷却し、温度の上昇を抑える目的では利用できます。ただし、危険物の液面へ直接放射して消火する方法と、容器などを外側から冷却する方法は区別して覚える必要があります。

(4) 揮発性が非常に高く、蒸気は空気より軽いものが多い。

不適切です。第4石油類は引火点が高く、一般に揮発性が低い危険物です。揮発性が高い液体は、常温でも多くの蒸気を発生させますが、第4石油類は潤滑油などの粘りのある油が多く、常温では蒸発しにくい性質があります。また、第4類危険物から発生する可燃性蒸気は、一般に空気より重いものが多く、低い場所に滞留しやすいという特徴があります。漏えい場所から離れた低所や排水溝などに蒸気が流れ、離れた場所にある火気によって引火することもあります。第4石油類は常温では蒸気が発生しにくいものの、加熱されると蒸気の発生量が増加します。揮発性が低いという性質だけで危険性がないと判断せず、加熱された状態では蒸気の滞留や火気に注意しなければなりません。

(5) 発火点が低いため、自然発火しやすい危険物である。

不適切です。第4石油類は、発火点が特に低く、常温で自然発火しやすい危険物として分類されているものではありません。発火点とは、火花や炎などの点火源がなくても、物質を加熱することで自ら燃え始める最低温度です。引火点とは意味が異なります。第4石油類の分類基準は引火点であり、発火点の低さや自然発火のしやすさによって分類されているわけではありません。引火点が200℃以上250℃未満であることから、常温では引火しにくい性質を持っています。ただし、潤滑油などが布やウエスに染み込み、積み重ねられた状態では、酸化によって発生した熱が内部に蓄積し、条件によっては自然発火につながることがあります。これは油の種類、温度、空気との接触状態、放熱のしやすさなどが関係する現象です。第4石油類全体が発火点の低い危険物であるという説明は誤りですが、油の染み込んだウエスなどの管理が不要という意味ではありません。

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この問題で覚えるポイント

第4石油類とは、1気圧において引火点が200℃以上250℃未満の引火性液体です。代表例には潤滑油、ギヤー油、シリンダー油などがあります。指定数量は6,000Lです。石油類は引火点によって区分され、第1石油類は21℃未満、第2石油類は21℃以上70℃未満、第3石油類は70℃以上200℃未満、第4石油類は200℃以上250℃未満です。引火点が高くなるほど、常温で発生する可燃性蒸気は少なくなり、通常は引火しにくくなります。第4石油類は第1石油類や第2石油類よりも揮発性が低く、常温では可燃性蒸気を発生しにくいことが重要です。ただし、加熱されて引火点以上になると火災の危険性が高まります。多くの第4石油類は水より軽く、水にほとんど溶けない非水溶性液体です。そのため、水による希釈消火には適していません。火災時は、泡消火剤などで液面を覆って空気を遮断する窒息消火が有効です。粉末消火剤や二酸化炭素消火剤も使用できます。棒状の水を直接放射すると、燃焼中の油を飛散させたり、流出範囲を広げたりする危険があります。水は危険物そのものの希釈ではなく、容器や周囲の設備を冷却する目的で使用することがあります。引火点は点火源によって燃え始める最低の液温、発火点は点火源がなくても自ら燃え始める最低温度です。両者を区別することが正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

第4石油類も「石油類」であるため、ガソリンのように常温で激しく蒸発し、すぐに引火すると考えてしまうことが代表的な思考の罠です。石油類はすべて同じ性質ではなく、引火点によって第1石油類から第4石油類まで区分されています。第4石油類は引火点が高く、揮発性が低いという点を基準に判断する必要があります。また、「水より軽い」という記述から、水に浮かせれば安全になる、水をかければ消火できると連想しやすい点にも注意が必要です。水より軽く、水に溶けない油へ水を放射すると、油が水面に浮いたまま広がり、火災範囲を拡大させる場合があります。「水に浮くこと」と「水で消火できること」は同じ意味ではありません。さらに、引火点と発火点を混同させる表現も頻出します。引火点が高いことは、点火源による引火が起こりにくいことを示しますが、発火点や自然発火のしやすさを直接示すものではありません。「一部の油が染み込んだ布は自然発火することがある」という知識を、第4石油類全体が自然発火しやすいという説明に広げないことも大切です。分類基準、常温での揮発性、水への溶解性、適切な消火方法をそれぞれ分けて判断すると、似た表現を使った問題にも対応できます。

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