問題
次の気体の製法と捕集方法の組合せとして、正しいものはどれか。
(1) 酸素―過酸化水素水に二酸化マンガンを加えて発生させ、上方置換で捕集する。
(2) 水素―亜鉛に希硫酸を加えて発生させ、水上置換で捕集する。
(3) 二酸化炭素―石灰石に水を加えて発生させ、下方置換で捕集する。
(4) アンモニア―塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムを反応させ、水上置換で捕集する。
(5) 塩素―食塩水を加熱して発生させ、上方置換で捕集する。
危険物取扱者乙種4類|気体の製法と捕集方法を解説
気体は発生方法が決まっており、さらに性質としての水への溶解性や空気との比重差によって適切な捕集方法が決まります。代表的な例として、水素や酸素、二酸化炭素、アンモニア、塩素はそれぞれ発生反応と捕集方法が明確に区別されており、これらの基本組合せを正しく理解しているかが問われる問題です。答えは(2)であり、他の選択肢には発生方法の誤りや捕集方法の不適切さが含まれています。

(1) 酸素―過酸化水素水に二酸化マンガンを加えて発生させ、上方置換で捕集する。
不適切です。酸素の発生方法として過酸化水素水に二酸化マンガンを加える方法は正しく、二酸化マンガンは触媒として酸素発生を促進します。ただし捕集方法が誤りです。酸素は水にあまり溶けず、空気よりわずかに重い性質を持つものの、一般的には水上置換で捕集します。上方置換は空気より軽く水に溶けやすい気体に用いるため、この組合せは不適切です。
(2) 水素―亜鉛に希硫酸を加えて発生させ、水上置換で捕集する。
適切です。水素は亜鉛に希硫酸を作用させることで発生します。この反応は典型的な金属と酸の反応であり、硫酸中の水素イオンが還元されて水素が発生します。水素は水にほとんど溶けず、空気より非常に軽いため、捕集には水上置換が適しています。水上置換は気体が水に溶けにくい場合に最も確実な捕集方法であり、この組合せは正しいです。
(3) 二酸化炭素―石灰石に水を加えて発生させ、下方置換で捕集する。
不適切です。二酸化炭素の発生には石灰石に塩酸などの酸を加える必要があり、水を加えるだけでは反応は起こりません。発生方法が誤りです。捕集方法としては二酸化炭素は空気より重く水にもやや溶けるため下方置換が用いられることはありますが、前提となる発生方法が成立していないため不適切な組合せです。
(4) アンモニア―塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムを反応させ、水上置換で捕集する。
不適切です。アンモニアは塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムの反応で発生する点は正しいですが、捕集方法が誤りです。アンモニアは水に非常に溶けやすい性質を持つため、水上置換では水に吸収されてしまい正しく集めることができません。アンモニアは空気より軽いため、通常は上方置換で捕集します。
(5) 塩素―食塩水を加熱して発生させ、上方置換で捕集する。
不適切です。塩素は食塩水の加熱では基本的に発生せず、工業的には電気分解によって得られます。発生方法が誤りです。また塩素は空気より重く水にも溶けやすい性質があるため捕集は下方置換が適切です。上方置換は軽い気体に用いるため、この点でも不適切です。
この問題で覚えるポイント
気体の製法は代表反応で固定的に整理することが重要で、水素は金属と希酸、酸素は過酸化水素の分解、二酸化炭素は炭酸塩と酸、アンモニアはアンモニウム塩と強塩基という形で覚える必要があります。捕集方法は性質で判断し、水に溶けにくく空気より軽い場合は水上置換や上方置換、水に溶けやすい気体は水上置換不可で上方置換または下方置換を選びます。特にアンモニアは水上置換不可、塩素や二酸化炭素は下方置換という区別が頻出です。
ひっかけポイント
発生方法と捕集方法を混同させるパターンが典型的なひっかけです。特に二酸化炭素の「石灰石+水」や塩素の「食塩水加熱」のように、見た目だけそれらしい組合せを置き、実際には反応条件が成立していない点が狙われます。また捕集方法では「上方置換」と「下方置換」の空気との比重関係を逆に覚えている受験者が誤答しやすく、さらにアンモニアのように水への溶解性が極端に高い気体を水上置換で集めさせる選択肢も頻出の罠です。
