問題
次の変化のうち、物理変化に該当するものはどれか。
(1) アンモニアが酸化されて一酸化窒素になる。
(2) エタノールが空気中で燃焼して二酸化炭素と水になる。
(3) ヨウ素が加熱されて紫色の気体になる。
(4) 鉄が塩酸と反応して水素を発生する。
(5) 石灰石を加熱して生石灰と二酸化炭素になる。
危険物取扱者乙種4類|物理変化と化学変化を解説
この問題は、物質の変化が新しい物質を生成する化学変化なのか、それとも物質そのものの状態や形が変わるだけの物理変化なのかを正しく区別できるかを問う問題です。結論として、物理変化に該当するものは(3)であり、その他はすべて化学変化です。物理変化は物質の化学組成が変わらず、状態変化や形の変化にとどまる点が重要な判断基準になります。

(1) アンモニアが酸化されて一酸化窒素になる。
不適切です。 アンモニアが酸化されるということは、酸素と反応して新しい物質である一酸化窒素と水などに変化する反応であり、化学結合が切れて別の物質が生成されます。このように物質の組成そのものが変化する場合は化学変化に分類され、物理変化ではありません。
(2) エタノールが空気中で燃焼して二酸化炭素と水になる。
不適切です。 燃焼は典型的な化学反応であり、エタノールが酸素と反応して二酸化炭素と水という全く異なる物質に変化します。元のエタノール分子は消失し、新しい物質が生成されるため化学変化です。物理変化のように状態が変わるだけではなく、化学組成そのものが変わる点が重要です。
(3) ヨウ素が加熱されて紫色の気体になる。
適切です。 ヨウ素は加熱すると固体から気体へと直接変化しますが、このときヨウ素分子そのものは変化せず、同じ物質のまま状態だけが変わっています。固体から気体への変化は昇華と呼ばれる物理変化であり、化学反応のように新しい物質は生成されません。したがって、これは物理変化に該当します。
(4) 鉄が塩酸と反応して水素を発生する。
不適切です。 鉄と塩酸が反応すると塩化鉄と水素が生成されます。このように金属が酸と反応して新しい物質と気体が発生する反応は化学変化であり、元の鉄そのものは化学的に変質しています。物質の構成要素が変わる点が重要です。
(5) 石灰石を加熱して生石灰と二酸化炭素になる。
不適切です。 石灰石(炭酸カルシウム)を加熱すると分解反応が起こり、生石灰(酸化カルシウム)と二酸化炭素が生成されます。これは熱分解という化学反応であり、元の物質が分解されて別の物質へ変化するため化学変化に分類されます。
この問題で覚えるポイント
物理変化と化学変化の判断では、まず新しい物質ができているかどうかが最重要です。新しい物質が生成されない場合は物理変化であり、状態変化、例えば固体から液体、液体から気体、あるいは昇華などが該当します。化学変化は燃焼、酸化、分解、酸と金属の反応など、分子構造が変化し別の物質が生成される現象です。特に昇華は見た目が大きく変わるため化学変化と誤解されやすいですが、物質の種類は変わらないため物理変化として頻出です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、見た目の変化の大きさで判断してしまう点にあります。特に加熱によって固体が気体になると「反応した」と錯覚しやすいですが、ヨウ素のように分子構造が変わらず状態だけが変化する場合は物理変化です。また、燃焼や酸化、分解といった言葉はすべて化学変化の強いサインであり、ここを見落とすと誤答しやすくなります。日常感覚では「変化=化学変化」と思いがちですが、試験では物質の本質的な変化の有無で厳密に判断する必要があります。
