問題
次の物質の比重に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 比重が1より小さい液体は、一般に水に浮く。
(2) 同じ体積であれば、比重が大きい物質ほど質量は大きい。
(3) 比重は基準となる物質との密度の比であり、単位をもたない。
(4) 比重が等しい2種類の物質は、体積が異なっていても質量は必ず等しい。
(5) 水の比重は基準として1とされる。
危険物取扱者乙種4類|物質の比重を解説
比重の基本定義と密度との関係、さらに浮沈や質量との関係を正しく理解しているかを問う問題です。比重は水を基準とした密度の比較であり、物質の軽重や浮く・沈むの判断に直結します。【答え、理由】誤っているのは(4)であり、比重が等しくても体積が異なれば質量は異なるため不適切です。

(1) 比重が1より小さい液体は、一般に水に浮く。
適切です。比重1は水の密度を基準とした値であり、それより小さいということは水より密度が小さいことを意味します。密度が小さい物質は同じ体積で比較した場合に軽くなるため、浮力が重力を上回りやすく水に浮く性質を示します。油類など多くの可燃性液体がこの性質を持つため、第4類危険物の理解でも重要な基礎です。
(2) 同じ体積であれば、比重が大きい物質ほど質量は大きい。
適切です。比重は密度の比であり、比重が大きいということは水に対して密度が大きいことを意味します。質量は密度と体積の積で決まるため、体積が同じであれば密度が大きい物質ほど質量は大きくなります。この関係は物質の重さの比較問題で頻出の基本原理です。
(3) 比重は基準となる物質との密度の比であり、単位をもたない。
適切です。比重は密度そのものではなく、水などの基準物質の密度と比較した相対値です。分母と分子が同じ単位であるため単位は相殺され、結果として無次元量となります。したがって「単位を持たない」という説明は正しい理解です。
(4) 比重が等しい2種類の物質は、体積が異なっていても質量は必ず等しい。
不適切です。比重が等しいということは密度が等しいことを意味しますが、質量は密度と体積の積で決まります。そのため体積が異なれば質量も当然異なります。例えば同じ比重の液体でも、1Lと2Lでは質量が2倍違うことになり、「必ず等しい」という記述は誤りです。
(5) 水の比重は基準として1とされる。
適切です。比重の定義では水の密度を基準値1として扱います。これにより他の物質が水より軽いか重いかを直感的に比較できるようになっています。危険物の性質理解においても基本となる基準値です。
この問題で覚えるポイント
比重は密度の比較値であり、水を基準にした無次元量であることが最も重要です。質量は密度と体積の積で決まるため、比重が同じでも体積が異なれば質量は一致しません。水より比重が小さい物質は浮きやすく、大きい物質は沈みやすいという関係も必須知識です。また比重と密度は似ているが異なる概念であり、密度は物理量として単位を持つのに対し、比重は比較値で単位を持たない点が頻出論点です。
ひっかけポイント
最も誤りやすいのは「比重が同じなら質量も同じ」という直感的誤解です。ここでは“重さが同じなら同じもの”という日常感覚が混乱の原因になりますが、実際は体積が変われば質量も変わるため成立しません。また比重という言葉から「重さの指標」と誤解しやすく、密度との違いを曖昧にすると正誤判断を誤りやすい構造になっています。さらに「比重=重さ」と短絡的に覚えていると、体積要素を見落とす典型的なミスにつながるため注意が必要です。
