出典:第二種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|関係法令第7問
問題
事業場の建築物、施設等に関する措置について、労働安全衛生規則の衛生基準に違反しているものは次のうちどれか。
(1) 常時40人の労働者を就業させている屋内作業場の気積が、設備の占める容積及び床面から3mを超える高さにある空間を除き400㎥となっている。
(2) ねずみ、昆虫等の発生場所、生息場所及び侵入経路並びにねずみ、昆虫等による被害の状況について、6か月ごとに1回、定期に、統一的に調査を実施し、その調査結果に基づき、必要な措置を講じている。
(3) 男性5人を含む常時30人の労働者が就業している事業場で、女性用には臥床することのできる休養室を設けているが、男性用には、臥床することのできない休憩設備を利用させている。
(4) 事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、1㎡を超えるようにしている。
(5) 事業場に附属する炊事場の入口には、洗浄剤を含浸させたマットを設置して、土足のままでも立ち入ることができるようにしている。
第二種衛生管理者|労働安全衛生規則の衛生基準と休養室・食堂設備基準を解説を解説
事業場の衛生基準では、屋内作業場の気積、ねずみや昆虫の防除、休養室、食堂、炊事場などについて、労働者の健康保持と衛生確保のための基準が定められています。答えは(5)です。炊事場は清潔を保つ必要があり、原則として土足で立ち入ることができないようにしなければなりません。洗浄剤を含ませたマットを置いていても、土足での立入りを認めている点が衛生基準に違反します。

(1) 常時40人の労働者を就業させている屋内作業場の気積が、設備の占める容積及び床面から3mを超える高さにある空間を除き400㎥となっている。
適切です。屋内作業場では、労働者1人について10㎥以上の気積を確保する必要があります。気積とは、作業場内の空気の容積のことで、労働者が十分な空気環境の中で働けるようにするための基準です。常時40人であれば、必要な気積は40人×10㎥で400㎥です。この選択肢では、設備の占める容積などを除いて400㎥が確保されているため、必要な基準を満たしています。
(2) ねずみ、昆虫等の発生場所、生息場所及び侵入経路並びにねずみ、昆虫等による被害の状況について、6か月ごとに1回、定期に、統一的に調査を実施し、その調査結果に基づき、必要な措置を講じている。
適切です。ねずみや昆虫は、病原体の媒介や食品汚染などの原因になるため、事業場では発生場所、生息場所、侵入経路、被害状況を定期的に調査し、必要な措置を講じることが求められます。調査は6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行う必要があります。この選択肢は、調査周期と調査内容、調査後の措置まで含めており、衛生基準に合っています。
(3) 男性5人を含む常時30人の労働者が就業している事業場で、女性用には臥床することのできる休養室を設けているが、男性用には、臥床することのできない休憩設備を利用させている。
適切です。休養室または休養所については、常時50人以上の労働者を使用する場合、または常時30人以上の女性労働者を使用する場合に、臥床することのできる休養室などを男女別に設ける必要があります。この事業場は常時30人ですが、男性5人を含むため女性は25人です。常時50人以上にも、常時30人以上の女性労働者にも該当しないため、男性用に臥床できる休養室を設けていないことは、直ちに違反とはいえません。
(4) 事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、1㎡を超えるようにしている。
適切です。事業場に附属する食堂については、食事の際の1人について1㎡以上の床面積を確保する必要があります。これは、労働者が過密な状態で食事をすることを避け、衛生的で落ち着いた食事環境を確保するための基準です。この選択肢では1人について1㎡を超える床面積としているため、基準を満たしています。
(5) 事業場に附属する炊事場の入口には、洗浄剤を含浸させたマットを設置して、土足のままでも立ち入ることができるようにしている。
不適切です。事業場に附属する炊事場は、食品を扱う場所であるため、清潔を保つことが特に重要です。労働安全衛生規則では、炊事場について、土足のまま立ち入ることができないようにしなければならないとされています。洗浄剤を含ませたマットを置いていたとしても、土足で立ち入ること自体を認めている点が問題です。マットによる汚れ落としは補助的な対策にはなり得ますが、法令上の「土足で立ち入ることができないようにする」という基準の代わりにはなりません。
この問題で覚えるポイント
屋内作業場の気積は、労働者1人につき10㎥以上が基本です。ねずみや昆虫などについては、発生場所、生息場所、侵入経路、被害状況を6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に調査し、必要な措置を講じます。休養室または休養所は、常時50人以上の労働者を使用する場合、または常時30人以上の女性労働者を使用する場合に、臥床できるものを男女別に設ける必要があります。食堂は、食事の際の1人について1㎡以上の床面積を確保します。炊事場は食品衛生に直結するため、土足で立ち入ることができないようにする点が重要です。
ひっかけポイント
この問題では、「一見きれいにしているように見える対策」と「法令上求められる措置」の違いが狙われています。洗浄剤を含ませたマットを置いていると衛生的に見えますが、炊事場では土足で立ち入れる状態そのものが不適切です。また、休養室の問題では、常時30人という人数だけを見ると設置義務がありそうに見えますが、女性労働者は25人なので「常時30人以上の女性労働者」には該当しません。衛生基準の問題では、数値、対象人数、男女の内訳、設備の用途を丁寧に確認することが正誤判断の鍵になります。
