【第二種衛生管理者過去問】2025年4月公表問題|問28|感覚器の基礎知識|視覚・平衡感覚・嗅覚・皮膚感覚の働き|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2025年(令和7年度)4月公表問題|労働生理第28問

問題

感覚又は感覚器に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 網膜には、色を感じる杆(かん)状体(杆体)と明暗を感じる錐(すい)状体(錐体)という2種類の視細胞が並んでいる。

(2) 老視(老眼)とは、加齢によって水晶体が徐々に変性して調節できる範囲が狭まり、近点が遠くなり、遠点が近くなることをいう。

(3) 半規管は体の傾きの方向や大きさを感じ、前庭は体の回転の方向や速度を感じる平衡感覚器であり、いずれも内耳にある。

(4) 嗅覚は、味覚と同様に物質の化学的性質を認知する感覚であるが、同じ臭気に対して疲労しにくいという特徴がある。

(5) 皮膚感覚には触圧覚、温度覚(温覚と冷覚)、痛覚などがあり、これらのうち温覚を感じる場所(温点)は、他の感覚を感じる場所よりも密度が高い。

第二種衛生管理者|感覚器の基礎知識|視覚・平衡感覚・嗅覚・皮膚感覚の働きを解説

感覚器では、視覚、平衡感覚、嗅覚、皮膚感覚について、似た用語の役割を正しく区別できるかが重要です。答えは(2)です。老視は、加齢により水晶体の弾力性が低下し、ピント調節の幅が狭くなることで、近くのものが見えにくくなる状態です。近点は遠くなり、調節範囲が狭くなるという理解が正答につながります。

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(1) 網膜には、色を感じる杆(かん)状体(杆体)と明暗を感じる錐(すい)状体(錐体)という2種類の視細胞が並んでいる。

不適切です。その理由は、杆状体と錐状体の働きが逆になっているためです。杆状体は、主に暗い場所で明暗を感じる視細胞です。錐状体は、明るい場所で働き、色を感じる視細胞です。試験では、杆体は明暗、錐体は色覚と整理しておくと判断しやすくなります。

(2) 老視(老眼)とは、加齢によって水晶体が徐々に変性して調節できる範囲が狭まり、近点が遠くなり、遠点が近くなることをいう。

適切です。その理由は、老視では加齢により水晶体の弾力性が低下し、毛様体によるピント調節がうまくできなくなるためです。特に近くを見るときには水晶体を厚くして焦点を合わせる必要がありますが、老視ではこの調節が難しくなります。その結果、近くで明瞭に見える最も近い点である近点が遠くなり、調節できる範囲が狭くなります。近くの文字が見えにくくなる状態をイメージすると理解しやすいです。

(3) 半規管は体の傾きの方向や大きさを感じ、前庭は体の回転の方向や速度を感じる平衡感覚器であり、いずれも内耳にある。

不適切です。その理由は、半規管と前庭の働きが逆になっているためです。半規管は、体の回転の方向や速度を感じる器官です。前庭は、体の傾きの方向や大きさを感じる器官です。どちらも内耳にある平衡感覚器である点は正しいですが、役割の対応が誤っています。

(4) 嗅覚は、味覚と同様に物質の化学的性質を認知する感覚であるが、同じ臭気に対して疲労しにくいという特徴がある。

不適切です。その理由は、嗅覚は疲労しやすい感覚だからです。嗅覚は、空気中の化学物質を認知する感覚であり、味覚と同じく化学的性質を感じ取る感覚です。ただし、同じ臭いをしばらく嗅いでいると感じにくくなる性質があります。これを嗅覚の順応または疲労と考えると理解しやすいです。

(5) 皮膚感覚には触圧覚、温度覚(温覚と冷覚)、痛覚などがあり、これらのうち温覚を感じる場所(温点)は、他の感覚を感じる場所よりも密度が高い。

不適切です。その理由は、温点は皮膚感覚の中で密度が高いとはいえないためです。皮膚には、触圧覚、温覚、冷覚、痛覚などを感じる場所があります。一般に、痛点が最も多く、次いで触点、冷点、温点の順に多いとされます。温点は比較的少ないため、温覚を感じる場所が他の感覚より密度が高いという記述は誤りです。

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この問題で覚えるポイント

感覚器の問題では、似た用語の対応関係を正確に覚えることが重要です。視覚では、杆状体は明暗、錐状体は色覚を担当します。老視では、水晶体の弾力性が低下してピント調節力が弱くなり、近点が遠くなります。平衡感覚では、半規管は回転の方向や速度を感じ、前庭は体の傾きの方向や大きさを感じます。嗅覚と味覚は、どちらも化学物質の性質を認知する感覚ですが、嗅覚は同じ臭気に対して疲労しやすい特徴があります。皮膚感覚では、触圧覚、温覚、冷覚、痛覚を区別し、温点が特に多いわけではない点を押さえておくと正誤判断が安定します。

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ひっかけポイント

このテーマでは、用語の組合せを入れ替える形のひっかけが多く出ます。杆状体と錐状体、半規管と前庭は、どちらも正しい器官名が使われているため、文章全体が正しく見えやすいです。しかし、実際には働きが逆にされています。また、嗅覚は日常的には臭いに敏感な感覚という印象がありますが、同じ臭いには慣れやすいという専門知識が問われます。皮膚感覚では、温覚という身近な感覚が強調されると密度が高そうに見えますが、温点は特に多いわけではありません。感覚器の問題では、名称だけで判断せず、「どの器官が、何を感じるのか」までセットで確認することが大切です。

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