【第二種衛生管理者過去問】2024年10月公表問題|問9|育児時間制度の対象者と労働基準法のルール|関係法令を解説

出典:第二種衛生管理者2024年(令和6年度)10月公表問題|関係法令第9問

問題

労働基準法に定める育児時間に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 生後満1年に達しない生児を育てる労働者は、男性、女性共に育児時間を請求することができる。

(2) 育児時間は、1日2回、1回当たり少なくとも30分の時間を請求することができる。

(3) 育児時間中は、育児時間を請求した労働者を使用してはならない。

(4) 育児時間を請求しない労働者に対しては、育児時間を与えなくてもよい。

(5) 育児時間は、必ずしも有給としなくてもよい。

第二種衛生管理者|育児時間制度の対象者と労働基準法のルールを解説

労働基準法の育児時間は、生後満1年に達しない生児を育てる女性労働者が請求できる制度です。答えは(1)です。育児時間は男女共通の制度ではなく、労働基準法上は女性労働者を対象としているため、「男性、女性共に請求できる」とする記述は誤りです。

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(1) 生後満1年に達しない生児を育てる労働者は、男性、女性共に育児時間を請求することができる。

不適切です。労働基準法に定める育児時間を請求できるのは、生後満1年に達しない生児を育てる女性労働者です。条文上、「女性」と定められているため、男性労働者も同じように請求できるとする記述は誤りです。育児に関する制度には、育児休業のように男女とも対象となる制度もありますが、労働基準法上の育児時間は女性労働者を対象とする点を区別して覚えることが大切です。

(2) 育児時間は、1日2回、1回当たり少なくとも30分の時間を請求することができる。

適切です。生後満1年に達しない生児を育てる女性労働者は、休憩時間のほかに、1日2回、それぞれ少なくとも30分の育児時間を請求できます。ここで重要なのは、通常の休憩時間とは別に請求できるという点です。勤務時間中に育児のための時間を確保する制度であり、1日2回、各30分以上という数値は試験でよく問われます。

(3) 育児時間中は、育児時間を請求した労働者を使用してはならない。

適切です。労働者が育児時間を請求した場合、使用者はその時間中に労働させることはできません。育児時間は、単なる配慮や努力義務ではなく、労働基準法に基づく請求権です。そのため、請求されたにもかかわらず、その時間に働かせることは法令上認められません。

(4) 育児時間を請求しない労働者に対しては、育児時間を与えなくてもよい。

適切です。育児時間は、対象となる女性労働者が請求することによって与えられる制度です。使用者が対象者全員に自動的に与えなければならないものではありません。試験では、「請求した場合に与える制度か」「事業者が必ず一律に与える制度か」という違いが問われやすいため注意が必要です。

(5) 育児時間は、必ずしも有給としなくてもよい。

適切です。労働基準法は、育児時間を与えることを定めていますが、その時間を有給にしなければならないとは定めていません。そのため、育児時間を有給とするか無給とするかは、就業規則や労働契約などによって決まります。法令上は、育児時間を与える義務と、賃金を支払う義務を分けて考える必要があります。

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この問題で覚えるポイント

労働基準法の育児時間は、生後満1年に達しない生児を育てる女性労働者が請求できる制度です。請求できる時間は、休憩時間とは別に、1日2回、それぞれ少なくとも30分です。請求があった場合、使用者はその時間中に労働者を使用してはなりません。育児時間は請求制であるため、請求しない労働者に自動的に与える必要はありません。また、労働基準法上は育児時間を必ず有給にする義務までは定められていません。試験では、対象者が女性労働者であること、子の年齢が生後満1年未満であること、1日2回各30分以上であること、請求が必要であること、有給義務まではないことを押さえると正誤判断がしやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、育児に関する制度だから男女とも対象になるはずだと思わせる点です。育児休業などは男女とも対象となるため、その感覚で読むと、労働基準法上の育児時間も男性、女性共に請求できると判断してしまいやすくなります。しかし、育児時間は条文上、女性労働者を対象とする制度です。また、1日2回各30分という数値や、有給義務の有無も混同しやすい部分です。育児に関する制度は名称が似ていても、対象者、請求条件、賃金の扱いが異なるため、「育児休業」と「育児時間」を分けて整理することが得点につながります。

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