出典:第二種衛生管理者2023年(令和5年度)4月公表問題|関係法令第3問
問題
衛生委員会に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。
(1) 衛生委員会の議長は、衛生管理者である委員のうちから、事業者が指名しなければならない。
(2) 産業医のうち衛生委員会の委員として指名することができるのは、当該事業場に専属の産業医に限られる。
(3) 衛生管理者として選任しているが事業場に専属でない労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することはできない。
(4) 当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士を衛生委員会の委員として指名することができる。
(5) 衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにし、議事で重要なものに係る記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。
第二種衛生管理者|衛生委員会の構成と運営ルールを解説
衛生委員会は、労働者の健康障害防止や衛生管理について調査審議するための機関です。答えは(4)です。当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士は、衛生に関し経験を有する労働者として衛生委員会の委員に指名することができます。衛生委員会では、誰を委員にできるか、議長は誰か、開催頻度や記録保存期間がよく問われます。

(1) 衛生委員会の議長は、衛生管理者である委員のうちから、事業者が指名しなければならない。
不適切です。衛生委員会の議長は、総括安全衛生管理者又はこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者が務めます。衛生管理者が議長になると決まっているわけではありません。衛生管理者は衛生委員会の重要な構成員ですが、議長の要件とは別に整理する必要があります。
(2) 産業医のうち衛生委員会の委員として指名することができるのは、当該事業場に専属の産業医に限られる。
不適切です。衛生委員会の委員として指名する産業医は、専属の産業医に限られません。産業医として選任されている者であれば、衛生委員会の委員として指名することができます。専属か嘱託かという区分に引っ張られないことが大切です。
(3) 衛生管理者として選任しているが事業場に専属でない労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することはできない。
不適切です。衛生管理者として選任されている労働衛生コンサルタントであれば、衛生委員会の委員として指名することができます。事業場に専属でないことだけを理由に、委員として指名できないわけではありません。ここでは「専属でない」という言葉で誤りに誘導しています。
(4) 当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士を衛生委員会の委員として指名することができる。
適切です。衛生委員会の委員には、当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有する者を指名することができます。作業環境測定士は、作業環境中の有害因子の測定など、労働衛生に関係する専門的な業務を行う資格者です。そのため、当該事業場の労働者であれば、衛生に関し経験を有する者として委員に指名することができます。
(5) 衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにし、議事で重要なものに係る記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。
不適切です。衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにしなければなりません。この部分は正しいです。しかし、議事で重要なものに係る記録の保存期間は5年間ではなく3年間です。開催頻度は毎月1回以上、重要な議事記録の保存期間は3年間とセットで覚えると、数字のひっかけに対応しやすくなります。
この問題で覚えるポイント
衛生委員会は、常時50人以上の労働者を使用する事業場で、業種を問わず設置が必要です。委員には、総括安全衛生管理者又はこれに準ずる者、衛生管理者、産業医、衛生に関し経験を有する労働者などが含まれます。議長は、総括安全衛生管理者又はこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者です。衛生管理者が議長と決まっているわけではありません。産業医は専属に限らず、衛生委員会の委員として指名できます。衛生に関し経験を有する労働者には、作業環境測定士など、衛生管理に関係する知識や経験を持つ者が該当します。衛生委員会は毎月1回以上開催するようにし、重要な議事記録は3年間保存します。試験では、開催頻度の「毎月1回以上」と、保存期間の「3年間」を入れ替えたり、5年間など別の保存期間に変えたりする形で出題されやすいです。
ひっかけポイント
このテーマでは、委員にできる人と議長になれる人を混同しやすい点が狙われます。衛生管理者は委員として重要ですが、議長は衛生管理者から選ぶとは限りません。また、「専属」という言葉にも注意が必要です。産業医や労働衛生コンサルタントについて、専属でなければ委員にできないように見せる選択肢がありますが、法令上そのように限定されるとは限りません。さらに、衛生委員会の開催頻度と記録保存期間は数字のひっかけが定番です。毎月1回以上という部分だけを見て正しいと判断すると、保存期間の5年間という誤りを見落とします。衛生委員会は「構成員」「議長」「開催頻度」「記録保存期間」を分けて覚えると、同じパターンの問題にも対応しやすくなります。
