【第二種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問6|雇入れ時安全衛生教育の教育項目|法改正後の必須事項|関係法令を解説

出典:第二種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|関係法令第6問

問題

雇入れ時の安全衛生教育における次のAからDの教育事項について、法令上、金融業の事業場において省略できるものの組合せは( 1 )~( 5 )のうちどれか。

(法改正に伴い、選択肢を修正しました)

A 従事させる業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。

B 作業開始時の点検に関すること。

C 整理、整頓及び清潔の保持に関すること。

D 作業手順に関すること。

(1) A,B

(2) A,C

(3) B,C

(4) B,D

(5) 省略できるものはない

 

 

 

第二種衛生管理者|雇入れ時安全衛生教育の教育項目|法改正後の必須事項を解説

雇入れ時の安全衛生教育では、労働者を新たに雇い入れたときに、その業務に関する安全又は衛生のための教育を行う必要があります。従来は金融業など一定の業種で省略できた教育事項についても、省略規定が廃止され、全業種で必要な教育項目を実施する扱いになりました。そのため、現行法に沿えば、金融業であってもBの作業開始時の点検に関することやDの作業手順に関することを業種だけを理由に省略することはできません。答えは「省略できるものはない」です。

下に移動する

【第二種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問6|雇入れ時安全衛生教育の教育項目|法改正後の必須事項|関係法令を解説する画像__2syu-2021-10-hourei-q6

下に移動する

(1) A,B

不適切です。Aの「従事させる業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること」は、雇入れ時安全衛生教育の重要な衛生教育事項です。たとえば、金融業であっても長時間のパソコン作業による眼精疲労、肩こり、腰痛、メンタルヘルス不調など、業務に関連して発生するおそれのある健康障害があります。Bの「作業開始時の点検に関すること」も、法改正後は全業種で教育対象となる事項です。金融業では危険な機械を扱う場面が少ないため省略できそうに見えますが、現在は業種による省略は認められません。

(2) A,C

不適切です。Aは業務に関連する疾病の原因と予防に関する教育であり、労働者の健康障害を防ぐために必要です。Cの「整理、整頓及び清潔の保持に関すること」も、職場環境を安全で衛生的に保つための基本事項です。整理整頓は転倒防止、避難経路の確保、感染症予防、作業効率の維持などに関係します。金融業のような事務系職場でも、書類やコード類によるつまずき、机上や共有スペースの衛生管理などが問題になるため、省略できる事項ではありません。

(3) B,C

不適切です。Bの作業開始時の点検は、作業を始める前に使用する設備、器具、作業環境などに異常がないかを確認するための教育事項です。金融業であっても、パソコン、椅子、机、照明、空調、通路、電源コードなど、日常的に確認すべきものがあります。Cの整理、整頓及び清潔の保持も、職場の安全衛生の基本です。どちらも現行法では業種を理由に省略できません。

(4) B,D

不適切です。旧制度では、金融業のような一定の非工業的業種では、作業手順や作業開始時の点検など一部項目を省略できる場合があり、この組合せが正解となる出題でした。現在は全業種で実施が必要です。Dの「作業手順に関すること」は、危険作業だけでなく、事務作業、受付対応、機器操作、緊急時対応などにも関係します。金融業だから作業手順の教育が不要になるわけではありません。

(5) 省略できるものはない

適切です。現行法では、金融業であっても、雇入れ時安全衛生教育の教育事項を業種だけを理由に省略することはできません。従来の一部業種に認められていた省略規定が廃止されました。試験対策では、古い過去問の答えをそのまま覚えるのではなく、法改正後は「全業種で必要な教育を行う」と整理することが大切です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

雇入れ時安全衛生教育は、労働者を雇い入れたときに、従事する業務に関する安全又は衛生のために行う教育です。教育事項には、機械や原材料などの危険性又は有害性、これらの取扱方法、安全装置や保護具の取扱方法、作業手順、作業開始時の点検、業務に関して発生するおそれのある疾病の原因と予防、整理整頓と清潔の保持、事故時の応急措置と退避、その他業務に関する安全又は衛生に必要な事項があります。金融業などの非工業的業種でも、業種を理由に一部項目を省略することはできません。旧制度では「危険作業が少ない業種なら一部省略できる」と問われることがありましたが、現行法では「全業種で実施」が基本です。なお、労働者がその教育事項について十分な知識や技能を有していると認められる場合の省略と、業種による一律の省略は別の考え方です。試験では、この違いを押さえると正誤判断が安定します。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、過去問の旧制度の知識をそのまま使うと誤答する点です。金融業は危険な機械を扱うイメージが少ないため、「作業手順」や「作業開始時の点検」は不要だと考えやすいですが、法改正後はその発想では判断できません。また、「作業手順」や「点検」という言葉から工場や建設現場だけを連想してしまうことも誤答の原因になります。事務系職場にも、パソコン作業、設備使用、通路確保、緊急時対応など、教育すべき安全衛生上の事項があります。今後同じテーマが出た場合は、「金融業だから省略できるか」ではなく、「現行法では業種による省略規定が残っているか」を確認する視点で判断することが重要です。

問題演習を増やしたい方はこちら

過去問と予想模試で実戦力を確認できます。

次の問題へ