出典:第二種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|労働生理第28問
問題
抗体に関する次の文中の内に入れるAからCの語句の組合せとして、適切なものは次のうちどれか。
「抗体とは、体内に入ってきた[ A ]に対して[ B ]免疫において作られる[ C ]と呼ばれる蛋白質のことで、[ A ]に特異的に結合し、[ A ]の働きを抑える働きがある」。
(1) A:化学物質 B:体液性 C:アルブミン
(2) A:化学物質 B:細胞性 C:免疫グロブリン
(3) A:抗原 B:体液性 C:アルブミン
(4) A:抗原 B:体液性 C:免疫グロブリン
(5) A:抗原 B:細胞性 C:アルブミン
第二種衛生管理者|第二種衛生管理者過去問|抗体と免疫の仕組み|抗原・体液性免疫・免疫グロブリンの基礎知識を解説を解説
抗体は、体内に入ってきた抗原に対して、体液性免疫によって作られる免疫グロブリンという蛋白質です。抗体は抗原に特異的に結合し、抗原の働きを抑えたり、排除されやすくしたりします。よって、Aは抗原、Bは体液性、Cは免疫グロブリンとなり、答えは(4)です。

(1) A:化学物質 B:体液性 C:アルブミン
不適切です。抗体が反応する相手は、一般に抗原と呼ばれます。抗原とは、体内に入った細菌、ウイルス、毒素、異種蛋白など、免疫反応を引き起こす物質のことです。また、体液性免疫という部分は正しいですが、抗体はアルブミンではありません。アルブミンは血漿蛋白の一種で、血液の浸透圧の維持などに関わる蛋白質です。抗体そのものを指す名称ではないため、この組合せは誤りです。
(2) A:化学物質 B:細胞性 C:免疫グロブリン
不適切です。免疫グロブリンは抗体を指す蛋白質なので、この部分は正しいです。しかし、抗体は「化学物質」に対して作られるというより、免疫学では「抗原」に対して作られると表現します。また、抗体の産生は主に体液性免疫に関係します。細胞性免疫は、Tリンパ球などが中心となり、感染細胞や異常細胞を攻撃する免疫反応です。抗体を作る免疫の分類としては、細胞性免疫ではなく体液性免疫を選びます。
(3) A:抗原 B:体液性 C:アルブミン
不適切です。抗体は抗原に対して体液性免疫で作られるため、AとBは正しいです。しかし、Cのアルブミンが誤りです。アルブミンは血漿中に多く含まれる蛋白質で、血液の浸透圧を保つ働きがあります。抗体はアルブミンではなく、免疫グロブリンと呼ばれる蛋白質です。衛生管理者試験では、アルブミンと免疫グロブリンの役割を混同しないことが大切です。
(4) A:抗原 B:体液性 C:免疫グロブリン
適切です。抗体とは、体内に入ってきた抗原に対して、体液性免疫により作られる免疫グロブリンという蛋白質です。抗原とは、免疫反応の対象となる物質のことで、細菌、ウイルス、毒素などが代表例です。体液性免疫では、Bリンパ球が形質細胞に分化し、抗体を産生します。抗体は特定の抗原に結合し、その働きを抑えたり、白血球などに処理されやすくしたりします。抗体、抗原、体液性免疫、免疫グロブリンの関係を正しく結び付けられているため、この組合せが正解です。
(5) A:抗原 B:細胞性 C:アルブミン
不適切です。抗体が反応する対象を抗原とする点は正しいです。しかし、抗体は細胞性免疫ではなく体液性免疫で作られます。また、抗体はアルブミンではなく免疫グロブリンです。細胞性免疫はTリンパ球などが関与する免疫であり、抗体を中心とする免疫反応とは区別されます。抗原という語句が正しくても、BとCが誤っているため、この組合せは適切ではありません。
この問題で覚えるポイント
抗体は、体内に入ってきた抗原に対して作られる免疫グロブリンという蛋白質です。抗原とは、免疫反応を引き起こす物質のことで、細菌、ウイルス、毒素、異種蛋白などが該当します。抗体は抗原に特異的に結合するため、どの抗原にも同じように結合するわけではありません。体液性免疫は、血液やリンパ液などの体液中に存在する抗体が中心となる免疫反応です。これに対して、細胞性免疫はTリンパ球などの細胞が中心となり、感染細胞や異常細胞を直接攻撃する免疫反応です。衛生管理者試験では、抗体は体液性免疫、抗体の本体は免疫グロブリン、抗体が結合する相手は抗原、という対応関係を押さえることが正誤判断に直結します。アルブミンは血漿蛋白の一種で、主に血液の浸透圧維持に関与する蛋白質であり、抗体ではありません。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、免疫に関する語句をそれらしく並べ、似た用語を混同させる点にあります。特に、体液性免疫と細胞性免疫の違い、免疫グロブリンとアルブミンの違いが狙われています。抗体は免疫に関係するため、細胞性免疫という言葉も正しそうに見えますが、抗体を作る仕組みとして選ぶべきなのは体液性免疫です。また、アルブミンも血液中の重要な蛋白質なので、蛋白質という共通点から迷いやすいですが、抗体の名称は免疫グロブリンです。このように、一部だけ正しい選択肢に引っ張られると誤答しやすくなります。抗体の問題では、抗原、体液性免疫、免疫グロブリンの3点セットで覚えると、同じテーマの問題にも対応しやすくなります。
