【第一種衛生管理者過去問】2023年4月公表問題|問6|酸素欠乏症等防止規則・酸素欠乏危険作業主任者|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第6問

問題

酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態をいう。

(2) 海水が滞留したことのあるピットの内部における作業については、酸素欠乏危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。

(3) 第一種酸素欠乏危険作業を行う作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素の濃度を測定しなければならない。

(4) 酸素又は硫化水素の濃度が法定の基準を満たすようにするために酸素欠乏危険作業を行う場所を換気するときは、純酸素を使用してはならない。

(5) し尿を入れたことのあるポンプを修理する場合で、これを分解する作業に労働者を従事させるときは、指揮者を選任し、作業を指揮させなければならない。

第1種衛生管理者|酸素欠乏症等防止規則・酸素欠乏危険作業主任者を解説

酸素欠乏症等防止規則では、酸素濃度18%未満を酸素欠乏とし、酸素欠乏危険場所での測定、換気、作業主任者の選任、特定作業での指揮者選任などが定められています。答えは(2)です。海水が滞留したことのあるピットの内部における作業は、硫化水素中毒の危険もある第二種酸素欠乏危険作業に該当するため、選任すべき作業主任者は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者であり、単なる酸素欠乏危険作業主任者技能講習修了者では足りません。

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(1) 酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態をいう。

適切です。酸素欠乏とは、空気中の酸素濃度が18%未満である状態をいいます。通常の空気中の酸素濃度は約21%ですが、換気が不十分な場所や、微生物の活動、金属の酸化、腐敗、発酵などにより酸素が消費されると、酸素濃度が低下します。酸素濃度が低下した場所では、息苦しさを感じる前に意識障害や転落事故につながるおそれがあるため、18%未満という基準値は試験でも重要です。

(2) 海水が滞留したことのあるピットの内部における作業については、酸素欠乏危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。

不適切です。海水が滞留したことのあるピットの内部では、酸素欠乏だけでなく、硫化水素が発生する危険があります。このような場所での作業は第二種酸素欠乏危険作業に該当します。第二種酸素欠乏危険作業では、酸素欠乏と硫化水素中毒の両方に対応できる酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、作業主任者を選任しなければなりません。選択肢では、酸素欠乏危険作業主任者技能講習を修了した者から選任するとしているため誤りです。

(3) 第一種酸素欠乏危険作業を行う作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素の濃度を測定しなければならない。

適切です。第一種酸素欠乏危険作業を行う作業場では、その日の作業開始前に、空気中の酸素濃度を測定しなければなりません。酸素欠乏危険場所では、前日に安全であっても、翌日に酸素濃度が低下していることがあります。そのため、作業の都度、作業開始前に測定することが重要です。第一種酸素欠乏危険作業では主に酸素濃度を確認し、第二種酸素欠乏危険作業では酸素濃度に加えて硫化水素濃度にも注意が必要です。

(4) 酸素又は硫化水素の濃度が法定の基準を満たすようにするために酸素欠乏危険作業を行う場所を換気するときは、純酸素を使用してはならない。

適切です。酸素欠乏危険作業を行う場所を換気するときに、純酸素を使用してはいけません。純酸素を使用すると、酸素濃度が過度に高くなり、衣類や油脂、可燃物が燃えやすくなって火災や爆発の危険が高まります。酸素が足りないなら純酸素を入れればよいと考えやすいですが、法令上は危険な方法です。換気は、原則として新鮮な空気を送り込む方法で行います。

(5) し尿を入れたことのあるポンプを修理する場合で、これを分解する作業に労働者を従事させるときは、指揮者を選任し、作業を指揮させなければならない。

適切です。し尿を入れたことのある設備を分解する作業では、内部に硫化水素などの有害なガスが残っている可能性があります。そのため、労働者を作業に従事させるときは、指揮者を選任し、作業方法や安全確認を指揮させる必要があります。し尿、汚泥、腐敗しやすい有機物が関係する設備では、酸素欠乏や硫化水素中毒の危険があるため、単なる機械修理ではなく、有害ガス対策が必要な作業として理解することが大切です。

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この問題で覚えるポイント

酸素欠乏とは、空気中の酸素濃度が18%未満の状態をいいます。第一種酸素欠乏危険作業では、主に酸素欠乏の危険を考え、作業開始前に酸素濃度を測定します。第二種酸素欠乏危険作業では、酸素欠乏に加えて硫化水素中毒の危険もあるため、酸素濃度だけでなく硫化水素濃度にも注意します。作業主任者については、第一種では酸素欠乏危険作業主任者、第二種では酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者が必要です。海水が滞留したことのある場所、し尿や汚泥に関係する設備、腐敗しやすい有機物が存在する場所では、硫化水素の危険を疑うことが正誤判断に直結します。また、換気の際に純酸素を使ってはいけません。酸素を補う目的であっても、火災や爆発の危険が高まるため、新鮮な空気による換気が原則です。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、酸素欠乏危険作業主任者と酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者を混同させる点です。文章中に酸素欠乏という言葉が出てくると、酸素だけの問題だと判断しがちですが、海水、し尿、汚泥、腐敗した有機物が関係する場合は、硫化水素の発生まで考える必要があります。特に、海水が滞留したことのあるピットは、酸素欠乏だけでなく硫化水素中毒の危険があるため、第二種酸素欠乏危険作業として判断します。また、酸素濃度が低いなら純酸素で換気すればよいという日常感覚も誤答につながります。法令では、純酸素の使用は火災や爆発の危険があるため禁止されており、新鮮な空気による換気が基本です。

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