【第一種衛生管理者過去問】2022年4月公表問題|問44|腎臓と泌尿器系の構造・尿生成・BUNの基礎知識|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|労働生理第44問

問題

腎臓・泌尿器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 腎臓の皮質にある腎小体では、糸球体から蛋白質(たんぱくしつ)以外の血漿(けっしょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾し出され、原尿が生成される。

(2) 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。

(3) 尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性である。

(4) 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

(5) 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

第1種衛生管理者|腎臓と泌尿器系の構造・尿生成・BUNの基礎知識を解説

腎臓は、血液をろ過して原尿をつくり、必要な水分や成分を再吸収し、不要な物質を尿として排出する器官です。答えは(5)です。腎臓の機能が低下すると、尿素窒素などの老廃物を十分に排出できなくなるため、BUNは低くなるのではなく高くなる傾向があります。BUNの「低下」と「腎機能低下」を結び付けている点が誤りです。

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(1) 腎臓の皮質にある腎小体では、糸球体から蛋白質(たんぱくしつ)以外の血漿(けっしょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾し出され、原尿が生成される。

適切です。腎小体は、糸球体とボウマン嚢から構成されます。糸球体では血液がろ過され、血漿中の水分、ブドウ糖、アミノ酸、電解質、尿素などの小さな成分がボウマン嚢へ移動し、原尿となります。蛋白質や血球のような大きな成分は、通常はろ過されません。腎小体が腎臓の皮質に存在することも重要な知識です。

(2) 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。

適切です。原尿はそのまますべて尿として排出されるわけではありません。尿細管を通る過程で、水分、ブドウ糖、アミノ酸、ナトリウムなど、身体に必要な成分の多くが血液中へ再吸収されます。その後、再吸収されなかった不要物や余分な水分が尿として排出されます。尿生成は、ろ過、再吸収、分泌という流れで理解すると整理しやすいです。

(3) 尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性である。

適切です。尿は通常、淡黄色をしており、特有の臭いがあります。また、健康な状態では一般に弱酸性を示します。ただし、尿の色や臭い、酸性・アルカリ性の程度は、水分摂取量、食事、運動、薬剤、体調などによって変動します。試験では、尿の一般的な性状として、淡黄色、固有の臭気、通常は弱酸性と覚えておくとよいです。

(4) 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

適切です。腎臓は単に尿を作るだけでなく、体内環境を一定に保つ働きをしています。余分な水分を排出したり、ナトリウム、カリウムなどの電解質の濃度を調節したりすることで、体液のバランスを維持します。また、蛋白質の代謝などで生じた尿素などの不要物を排出することも重要な働きです。腎臓は老廃物の排出と体液調節の両方を担う器官です。

(5) 血液中の尿素窒素(BUN)の値が低くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられる。

不適切です。BUNは、血液中に含まれる尿素窒素の量を示す指標です。尿素は主に蛋白質の代謝によって生じ、肝臓で作られた後、腎臓から尿中へ排出されます。腎臓の機能が低下すると、尿素を十分に排出できなくなるため、血液中に尿素窒素がたまり、BUNは高くなる傾向があります。したがって、腎機能低下で考えられるのはBUNの低下ではなく上昇です。この選択肢は、数値変化の向きを逆にしている点が誤りです。

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この問題で覚えるポイント

腎臓の基本は、腎小体で血液をろ過して原尿をつくり、尿細管で必要な水分や成分を再吸収し、不要なものを尿として排出する流れです。腎小体は糸球体とボウマン嚢からなり、腎臓の皮質にあります。糸球体では、蛋白質や血球のような大きな成分は通常ろ過されず、水分、電解質、ブドウ糖、アミノ酸、尿素などの小さな成分が原尿に含まれます。尿細管では、原尿中の大部分の水分や身体に必要な成分が血液中へ戻されます。尿は通常、淡黄色で固有の臭気があり、弱酸性です。腎臓は老廃物の排出だけでなく、水分量やナトリウムなどの電解質濃度を調節する働きもあります。BUNは尿素窒素のことで、腎臓からの排出が悪くなると血液中にたまりやすくなるため、腎機能低下では低下ではなく上昇が重要な判断ポイントになります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、BUNの値の変化を逆にしている点です。受験者は「腎臓の機能が低下する」と聞くと、何となく検査値も低くなるように感じてしまうことがあります。しかし、BUNは腎臓が作る物質ではなく、腎臓から排出される老廃物の指標です。そのため、腎臓の排出機能が落ちると血液中に残り、値は高くなります。検査値の問題では、「臓器の機能が低下するから数値も低下する」と単純に考えないことが大切です。作られる量を示す値なのか、排出されずに血液中にたまる値なのかを区別すると、同じような問題にも対応しやすくなります。

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