出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの)第18問
問題
局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
(2) フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、気流の整流作用が増すため、大きな排風量が必要となる。
(3) スロット型フードは、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。
(4) キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。
(5) 空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。
第1種衛生管理者|局所排気装置のフード種類・ダクト・排気方式を解説
局所排気装置は、有害物質が作業場全体に広がる前に、発生源の近くで吸い込み、ダクト、空気清浄装置、排風機などを通して排出する設備です。答えは(4)です。キャノピ型フードは、熱によって発生する上昇気流を受け止めるように捕捉するフードであり、レシーバ式フードに分類されます。局所排気装置では、フードの種類、ダクトの圧力損失、フランジの効果、排風機の設置位置がよく問われます。
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(1) ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
不適切です。ダクトの断面積を大きくすると、同じ排風量であれば空気の流速は小さくなります。一般に、流速が小さくなると摩擦抵抗が小さくなるため、ダクトの圧力損失は減少します。圧力損失とは、空気がダクト内を流れるときに摩擦や曲がり、合流などによって失われる圧力のことです。断面積を大きくするほど圧力損失が増大するという記述は逆です。
(2) フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、気流の整流作用が増すため、大きな排風量が必要となる。
不適切です。フランジとは、フード開口部の周囲に取り付けるつば状の部分です。フランジがあると、フードの背面や側面から無駄に空気を吸い込むことを抑え、発生源側から効率よく空気を吸引しやすくなります。そのため、同じ捕捉効果を得るために必要な排風量は、フランジがない場合より少なくて済みます。記述は「大きな排風量が必要」としているため誤りです。
(3) スロット型フードは、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。
不適切です。スロット型フードは、細長い開口部から空気を吸い込む構造のフードで、外付け式フードに分類されます。発生源から離れた位置に設け、吸引気流によって有害物を捕捉する方式です。発生源からの飛散速度や熱上昇気流を利用して受け止めるものは、レシーバ式フードです。したがって、スロット型フードをレシーバ式フードに分類している点が誤りです。
(4) キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。
適切です。キャノピ型フードは、発生源の上方に設置される天蓋状のフードです。熱を伴う作業では、加熱された空気や有害物質を含む気流が自然に上昇するため、その上昇気流を受け止めるように捕捉します。このように、発生源から生じる気流や飛散方向を利用して捕捉するフードは、レシーバ式フードに分類されます。したがって、この記述は正しいです。
(5) 空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。
不適切です。空気清浄装置を付設する場合、排風機は一般に、空気清浄装置の後に設けます。つまり、フード、吸引ダクト、空気清浄装置、排風機、排気口という流れが基本です。排風機を空気清浄装置の前に設置すると、有害物質や粉じんを含む空気が排風機を通過するため、腐食や摩耗、汚染の原因になりやすくなります。したがって、吸引ダクトと空気清浄装置の間に排風機を設けるという記述は誤りです。
この問題で覚えるポイント
局所排気装置は、フードで有害物を捕捉し、ダクトで搬送し、空気清浄装置で処理し、排風機で排出する設備です。ダクトの断面積が大きくなると、同じ排風量では流速が下がり、圧力損失は一般に小さくなります。フランジ付きフードは、周囲からの無駄な吸込みを抑えるため、必要排風量を少なくできます。スロット型フードは外付け式フード、キャノピ型フードは熱による上昇気流を利用するレシーバ式フードです。空気清浄装置を付設する場合は、一般に空気清浄装置の後に排風機を置く流れを覚えておくと判断しやすくなります。
ひっかけポイント
このテーマでは、フードの名称と分類を入れ替える形のひっかけがよく出ます。スロット型という言葉は特殊な形に見えるため、レシーバ式と勘違いしやすいですが、基本は吸引気流で捕捉する外付け式フードです。キャノピ型は、単に上にあるフードというだけでなく、熱による上昇気流を利用して受け止めるためレシーバ式に分類されます。また、フランジは排風量を増やすものではなく、効率よく吸い込むために必要排風量を減らす方向に働きます。排風機の位置も、空気清浄装置の前後関係を図でイメージすると間違えにくくなります。
